配信日:2005年08月23日
第142号
★新涼
夏休みで、1週間遅れのマツモト・ミネラルです。
やっとセミの声から、虫の声に変わってきつつある感じがします。
みなさんはどのような夏休みでしたか。
8月17日の読売新聞「四季」に、新涼という言葉が載っていました。
立秋を過ぎて、涼しくなったなぁと思う、あの涼しさが新涼。
「新涼や尾にも塩ふる焼肴(やきざかな)」 鈴木真砂女(まさじょ)
もうすぐ、新涼のすがすがしい季節になります。
★今年の夏休み
10日(水)から16日(火)まで夏休みでした。郡上八幡の盆踊りに
行こうと思っていたのですが、初孫が生まれそうだということで、家での
夏休みになりました。久しぶりのことです。
郡上八幡の盆踊りは10年前に事務所の人間と行ったことがあり、いつもは
ひっそりした日本の地方の城下町が、この時だけはと賑わう、そんな盆踊り
でした。いま、何かゆったり情緒に浸りたい感じがしています。
初孫は女の子で、病院に見に行きましたが、あまり実感がありませんでした。
うれしいというより、大変だなというのが実感でした。
赤ん坊を見て、これからが大変だと思ってしまう、いまの日本は希望が薄です
ね。
近からず、遠からずで、見ていきたいと思っています。
家での3食付きの食事で、この夏休みで1.5kgの体重増加です。
3食、カミさんの作った食事。昼にビール(ノンアルコールですが)を飲んで、
本を4冊読んで、テレビを少々、夜は11時に寝て、朝5時起き、毎日40分の
エアロバイク。ゆったりした日常でした。
7日間ですが、こんな毎日で、ちょっとくたびれました。
やはり、いろいろな人とあって刺激を受けなければ。
何か引退後の予行練習、疑似体験をしたような夏休みでした。
読んだ本は、
「エモーショナル・デザイン」ドナルド・A・ノーマン 新曜社
情動をどう把握してデザインかするか。なかなかおもしろい。
「いのちとリズム」柳澤桂子 中公新書
細かな部分は斜め読み。本質的な見方の部分は熟読。
「縮小文明の展望」月尾嘉男 東京大学出版会
データ豊富で地球が大変だと実感。どうチャレンジするかの部分はなかなかの
内容でした。
「坂の上の雲1」司馬遼太郎 文春文庫
以前読んだときと比べて、スラスラ読めた。
★マイカレンダー 8月1日(月)?20日(土)
いろいろ、おもしろい、ユニークな方々とお会いしました。
慶応大学の野球部で4番を打っていたMさんが事務所にお見えになりました。
大学を卒業して社会人野球で活躍したのですが、現在は退職して野球のコー
チングを目指して準備中。出身高校がまだ甲子園に出場していないので、甲子
園へ行くプログラム談義で話が弾みました。
カリフォルニア大学で、食品研究をしているKさんが、夏休みを兼ねて帰国、
カリフォルニア大学における感性評価研究の現状と、日本の今後の課題などに
ついて話をしました。今後何らかのコラボレーションができればと思っていま
す。
S化粧品を退職したTさんが来社。市場調査の質をどう高めるか、本当に役に
たつ調査のあり方など論議、共感。企業の調査向上カウンセリングの仕事を
一緒にやっていくことになりました。興味ある方はお問い合わせを。
仕事の方は夏休み前ということで、少しのんびりモード。コンサルティング2
件。自社中心で、顧客はその次症候群。成功企業の後を追いたがる症候群。
攻めるきり口がシャープでない症候群。企業共通な課題に遭遇。ブレークしな
ければ。
映画は2本。「ライディング・ザ・ブレッド」スティーヴン・キング。
新宿オスカーという、何ともいえない、うらぶれた映画館で(写真を撮って
しまいました)ドキドキも、ワクワクもしない陳腐な映画で、40分で出て
しまいました。ひさかたぶりの超不作でした。
映画「鋼の錬金術師」。チケットを買うときに、アニメですよと念を押されま
した。「錬金術世界」と「現実世界」の2つの世界を通して非戦を訴えている
映画です。少年世界から見ることで、非戦への純粋さが感じられる。
ただ、アニメのスピードにちょっとついていけなくなっている私がいました。
人に会って話をすることは楽しいことです。
みなさんもドンドン事務所に話しに来てください。歓迎。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
・・・‥‥……………‥・・‥…………‥‥‥・・・‥…………‥・・
ミネラルスタート
■『香水「レルム」』
★解 説
新しい時代は、新しい匂いとともにやってくる。とすれば、最近日本にも
上陸した「世界初の人工合成によるヒトフェロモン」という画期的成分が入っ
た香水「レルム」は、新しい時代の象徴になる可能性を秘めている。
では、いったいどんな時代の?。フェロモンと聞くと、異性を招き寄せる効果
を想像しがちだが、この香水の場合は目的がちがう。女性用には男性のフェロ
モンが、男性用には女性のが含まれており、それによって異性に囲まれている
ようなリラックスした状態を作りだす働きをするらしい。
こんな生々しく人間的な人工香水が必要とされるその一方で、「自然な人間
くささ」をとことん消したいという願望はとどまるところを知らない。
中野香織(服飾史家) 日経新聞 2001.8.24
★ミネラル
異性に取り囲まれると、わたしは緊張してしまうのですが。フェロモンなど
のホルモン情報による人間の感情の変化、行動の変化などの研究が進んでいる
ようです。神経系の情報に対してホルモン系情報に興味があります。
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『宗教が時に暴力や破壊を生むことがある』
★解 説
宗教が時に暴力や破壊を生むことがある。宗教には光と陰があり、祈りと
呪いは同根。愛に基づいて他者と関わろうとするのが祈りなら、ダメージを与
えようとするのが呪い。呪いなどの思念には現実を代える力がある。
想像の中の魔=霊的暴力、が物質化してテロが生まれる。しかし魔界が暴力を
生むからこそ、それを克服するには「魔的なものに対する感性を持ち、しっか
り認識する必要がある」鎌田東二
★ミネラル
何にでも光と陰があるのでは。光の部分だけしか見ていないと本質が見えな
くなってしまうのでは。意識的に陰を見ることをしなければ。
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『悲鳴をあげる身体』
★解 説
食事には「満ち足りたという」感覚が重要。そのためには「段取り」が必要。
料理を作る、いっしょに食べる。
自分の身体が嫌いになっている。顔、胸、腹、腰まわりの形、体重、筋肉の
引き締まり具合。自分の身体に対する満足度を下げている。
私たちはいつも自分の状態を解釈しようとしている。自分がどのようなカテゴ
リーにはいるのか、それが気になってしょうがない。正常値というスケールで
判断している。それも外部スケールで。
身体の判断力とか想像力(記憶力とともに)という能力がどうもうまくいって
いない。
「悲鳴を上げる身体」鷲田 清一(PHP新書)
★ミネラル
現代人の身体論です。他者からどう見られるかが、自分の身体を規制して
しまっているような気がします。もっと身体を解放することが必要では。
商品開発のヒントの宝庫です。健康、身体に関係する人はぜひ読んでみてくだ
さい。
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『今の子供の社会』
★解 説
今の子供の社会には「強者の理論」しかない。「弱者」としての自分は否定
されなければならず、いじめられた過去は弱さを思い出させるものとして厳重
に封印される。同時に、他者の痛みを想うような感受性も意識的に追放される。
言葉の衰弱が「カタルシスとしての暴力」を招き入れている。
小林道雄「少年事件への視点」世界 2000年12月号
★ミネラル
「強い」-「弱い」の軸がいけないのでは。「やさしい」-「強い」の軸に
なると少しは変わるのではないでしょうか。軸の変換が必要です。
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『インディーズ大人気の秘密』
★解 説
宣伝もせず大ヒットとなるインディーズ音楽。成功する3つのポイント。
1.作り手が強い「個性」を持っている。インディーズのヒットメーカーは
既存の組織やルールを打ち破るパワーを持っている。メジャーのワクに
収まってしまうような行儀のよさでは新しいものは生み出せない。
2.生み出す商品に強い「こだわり」がある。作られる商品も、企画はずれ
ギリギリの線にある。コストダウンや納期を守るために妥協はしない。
当然、新作発表の時期はよく変更になるし、価格も高くなることもある。
そのこだわりがメジャーの商品との違いが際立つ。
3.サポートする「協力者」がいる。モンゴル800は、マスコミが知らな
かった時期から全国のコンサートプロモーターに知られていた。
また、タワーレコード沖縄の店長が「沖縄ではこれが売れている」と
テレビ番組で語り、知名度が全国レベルになった。宣伝をしなくても
「これいいよ」と進めてくれる伝道者がいる。
「品田英雄のヒット現象学」日経MJ2002.05.28
★ミネラル
個性的商品が望まれています。テーマ商品のオピニオンに支持される、作り
込みが成功のポイントです。
オピニオンは商品普及のハブの役割をしてくれるのも魅力的です。
「こだわり」と共感者が成功のポイントでは。
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
・■■■………………………………………………………………………‥‥・・
■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第142号 (2005/8/23) (c) 1999 Japan Orientation
・・‥‥………………………………………………………………………‥‥・・