配信日:2005年08月02日
第141号
★隅田川の花火
30日、企業のご招待で隅田川の花火を見に行きました。正面が会場で、
光と音のセレモニー。花火の華やかさとすぐに消えてしまう儚さに、日本人は
仏教的無常観を感じるのでは。
大好きな、かりんとうのおみやげ付きでした。感謝。
★小栗康平監督の映画「埋もれ木」で日本の心を実感
30日、土日朝一番、一人で映画を見る、で小栗康平監督の「埋もれ木」を
見ました。ベトナムの映画、韓国、中国そしてヨーロッパ、アメリカの映画も
魅力的ですが、今回は、日本の映画の魅力に触れました。ぜひお薦めです。
ファンタジーを通して、日本の心象、日本のやさしさ、リズム、まなざし、幻影
など、日本人の心をきめ細かく表現しています。
小栗康平さんは「生活実感、庶民感情というべきものが根こそぎ奪われて、
絶望的ともいえるほど、私たちは手触りのない世界を浮遊している。
私たちは生きる細部をよりよく見ようと努めてきたし、その手触りを大事に
してきた。生活実感とはそのようなものだった」と語っています。
日本の生活実感に触れてみてください。
今年の夏休みは、映画と事務所でビールを飲みながら本を読む、といきたいです
ね。
★マイカレンダー 19日(火)?8月1日(月)
今月も、1日が月曜日です。なんて言うことはないのですが、何かいい。
19日の週は旅行帰りの疲れが少しのこり、ちょっとハード。
企業の女性課長のお誘いで、女性マネージャーの集まりに行ってきました。
華やかさイメージとは異なり、真剣モード。
仕事の重責と、家庭問題など、私と比べていろいろな課題をお持ちのようでした。
企業社会の矛盾が見えてしまって、企業内、上司との関係など鋭い指摘。
23日(土)出社、「商品開発プログラムのたて方」セミナーの資料づくり。
20年程やっているのですが、この頃心配になって下調べをよくするように
なりました。何なんでしょうか。裸の王様みたいに、裸の講師になりたくない
気持ちが強いのかもしれません。夕方から企業の方がお見えで、一杯。
25日の週は、26日(火)27日(水)「商品開発プログラムのたて方」
セミナーで12時間の講演。今回も41名の参加で満席になりました。
時代・社会・市場・生活価値観の変化の速さ。商品ライフサイクルの短縮化など
に対して、これからの商品開発のあり方が大きなテーマです。
「想い」を持って、だいじに造って、だいじに使ってもらえる商品が基本では。
基本の見直しが重要です。
「クラークス」の靴を捨てるときに、お酒をかけて感謝を伝え、捨てたことの話
をしましたが、どう、みなさんに伝わったか気になるところです。
28日(木)新商品開発大全「商品開発オリエンテーションセミナー」でやる
「商品開発感性トレーニング」セミナーの打ち合わせ。
気づきの力、本質を見抜く力、コンセプトを創造する力、表現する力を高める
ための教材開発について打ち合わせ。
30日(土)は映画「埋もれ木」を見た後、事務所で打ち合わせ、
そして隅田川の花火へ。こんな土曜日が私は大好きです。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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ミネラルスタート
■『独創的な人は』
★解 説
「独創的な人は、しばしば組織の中では異質と見られ、往々に排除される。
これは組織の中心にいる人たちの自信のなさを反映しているように思う。
他と違う人を、本質的なところで評価する勇気を責任ある立場の人々は
持つべきであり、これが歓迎される風潮になるべきだ。」
伊藤嘉明 シンガポール分子細胞生物学研究所教授
★ミネラル
「変な人」を認める。
山口昌男さんが、トリックスター(道化師)の存在について述べています。
アフリカ神話に見られる、いたずらのウサギは天・地という対立する世界を
自由に往復し、人間にいたずらもする困りものだが、それまでになかった
新しい価値、火をもたらしてくれる。
これからは1つの組織におさまらず、複数の世界で生きられる両義的な存在
が活躍する。 「遊びと文化と経済」日経新聞 2005.05.19
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■『米国の戦略転換観測』
★解 説
米国の戦略転換観測 米国戦略に影響力が大きい「ビルダーバーグ会議」の
周辺情報からの会議の内容。米国のイラン撤退。英国選挙の結果労働党が議席
を減らした結果を受け、米国がイランから撤退する可能性が高まってきている。
これは財政赤字削減につながり、いったんはドル買いを呼びそう。
もうひとつは人民元切り上げ。北朝鮮の核問題に対する中国の役割不満など、
米国、欧州、カナダによる中国包囲網が形成されるのでは。
FOREX 日経産業新聞 2005.05.11
★ミネラル
小さなコラムですが、このFOREXはなかなか先見性があります。注目を。
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■『ネクストエコノミーにおけるマーケッターが習得すべきツール』
★解 説
ネクストエコノミーにおけるマーケッターが習得すべきツール
1,ウオンツセグメンテーション
2,顧客を消費支出によって5つのグループに区分して、
ベターな顧客に焦点を合わせる。
3,4つのR
リレーションシップ(関係づけ)
リトレッチメント(顧客との距離の短縮化)
レリバンシー(顧客にとって意味があること)
リワード(報酬)を中心にビジネスモデルの構築を
4,コマーケティング(共同マーケティング)メーカーと小売りが共同して
マーケティングに当たる、連携して広告や販促を。
5,顧客満足 維持できる顧客の質に関心を寄せ、顧客を満足させ、長期に
渡って絶えず強化を
「ネクストエコノミー」エリオット・エッテンバーグ
(東急エージェンシー)p.59?60
★ミネラル
この本の要約です。興味ある方は本文を読んでみて下さい。
まあまあ、新しくもあり、古くもありで、斜め読みにはよいのでは。
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■『街から信号が消えた』
★解 説
街から信号が消えた オランダで試み 運転慎重事故減る。
信号や標識がない方が、不安になり、行動は慎重になるので危険回避原理が
働くので、そして信号待ちがなくなるので、往来は円滑になる。
自動車道は信号・標識は撤去しない。
居住空間は車の進入路の幅を狭くし、交通量を絞り込み、信号、標識を排除
する。 読売新聞 2005.05.18
★ミネラル
何でもサポートするのではなく、人間に任す、人間の人間らしい知恵に
任せるのも課題を解決するにはよいのでは。
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■『動的な平衡』
★解 説
ルドルフ・シェーンハイマーの「動的な平衡」理論
アイソトープ標識アミノ酸によって、食べたアミノ酸が瞬く間に全身の臓器
に散らばりあらゆる臓器や組織を構成するタンパク質の一部になった。
この生命の特異なありようを「動的な平衡」と命名した。生命は行く川のごと
く流れの中にある。
この分子の流れは流れながらも全体として秩序を維持するため相互に関係性を
保っている。プラモデルのような静的なパーツで出来ているのではない。
彼の理論を拡張すれば、環境にあるすべての分子は私たち生命体の中を通り抜
け、また環境へと戻る大循環の流れの中にあり、どの局面をとってもそこに平
衡を保ったネットワークが存在していると考えられる。
ネットワークの一部分を切り取って他の部分と入れ替えたり、局所的な加速を
行うことは、一見効率を高めているように見えて、結局は平衡系に負荷を与え、
流れを乱すことに帰結する。実質的に同等に見える部分部分は、それぞれが
おかれている動的な平衡系の中でのみその意味と機能を持ち、機能単位と見え
る部分にもその実、取り出すべき境界線はない。
遺伝子組み替え技術が期待されたほど農産物の増収につながらず、臓器移植は
未だ有効な延命医療とはならず、ES細胞はその分化こそ誘導できても増殖を
制御できず、クローン羊ドリーは奇跡的につくられても早死にしてしまった。
動的平衡の視座に立つとバイオテクノロジーの過渡期性を意味するのではなく、
機会論的の操作すること自体の不可能な証明になるように思える。
福岡伸一 青山学院大学教授 朝日新聞 2005.05.18
★ミネラル
効率的だと思える、部分の効率化は効率的ではないですよと言うことです。
動的平衡を考えていくことがよりよい成果を生むのでは。はてどうするのか。
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■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第141号 (2005/8/2) (c) 1999 Japan Orientation
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