配信日:2005年05月17日
第136号
★ばらが咲いたそうです
ばら好きの人から、ばらを見に来ませんかとお誘いを受けました。
去年も夜の庭のばらを見させてもらいました。
私は、ばら、バラ、薔薇、ローズ、いろいろな呼び名の中で、ひらがなの「ばら」
が好きです。今年も楽しみです。
★興味津々
人間学をベースにマーケティングを考え、仕事をしてきました。
これからも人間を中心にヒューマン・ルネッサンス・マーケティングを考えてい
きたいと強く思っています。
それと並行して、いま興味津々テーマは「次世代」、「情報価値の創造」、「文化
価値の創造」、そして「自己組織化」です。
「次世代事業」、次世代商品を開発するにあたって環境コンセプト、グローバル
コンセプト、ヒューマンコンセプトの開発にあたり、時代・価値観の変化をどう
捉えるか。サントリーの「不易流行研究所」の名称が、「次世代研究所」に変更
になりました。どんな活動、発信をしていくのか興味津々です。
「情報価値」の創造も重要なテーマだと思っています。
工業化社会から、情報化社会への変化をどう捉え、実際の事業、商品開発にどう
生かしていくのか。価値創造の中で情報価値の創造が重要な役割をしていくので
は。
「文化価値の創造」。日経新聞の「やさしい経済学」で山口昌男さん(東京外国
語大学名誉教授)が、「ホモ・ルーデンス」すなわち遊びを重視した人間の生き
方について述べています。もっともっと深めていくとおもしろいテーマになって
くると思っています。興味津々。
最後の興味津々は「自己組織化」です。NPO、NGOなどの組織の魅力は自己
組織化です。創発による新しいムーブメントづくりをどう生み出していくのか。
津々(しんしん)に考えてみたいと思っています。
★マイカレンダー1週間
5月10日(火)化粧品メーカーの研究担当役員だったN氏が来社。以前製薬メー
カーにいた時にいろいろ仕事をご一緒した方ですが、なかなか企業の枠に入らな
い、私のほめ言葉でいう変な人です。新しい評価システムの開発をしたいという
ことで、協力の約束。
午後、スポーツサービス企業を訪問。サービスマーケティングと商品マーケティ
ングは基本は同じ。サービス・商品融合ののミックスマーケティングがおもしろ
いのでは。
夜、コンサルティングをしていた企業の新年度会へ出席。新年会はよく出席しま
すが、新年度会は初めてでした。新年度の方針、計画など話を聞き、議論。改善
改革に対して、革新をすることの意義と難しさを実感。しかし革新をしなければ。
11日(水)客員研究員のO氏来社。新しいコンサルティング・カウンセリングプ
ログラムの話。
午後、社内打ち合わせ。夕方から、カウンセリング企業来社。商品のリニューア
ルについて。商品の切り口の明確化とポジショニングの明確化が、リニューアル
にとって重要。
夜、HPの変更打ち合わせ。HPと日本オリエンテーション客員研究員とのブロ
グをどのように連動、組み合わせるのか。
12日(木)コンサルティング社内打ち合わせ。コンセプトのブラッシュアップ。
午後、新ビジネスモデル開発で企業訪問。トップからの次世代ビジネスモデルへ
の対応がなかなか進まない。社内でまだ危機意識が高まっていないことが問題。
夜「商品開発だべる会」。参加者も多く盛況でした。家族「共同体」が変容して
いく中にチャンスがあるのでは。おもしろいブレストになりました。
次回は6月2日(木)の予定です。テーマは「時持ち開発」。
13日(金)企業へ。消費者の生の声・定性データを基に、定量化、可視化する
「キーグラフ」による商品ライン戦略の打ち合わせ。消費者のブランド評価をど
う生かして、新マーケットを開発するか。
夜、ユニークな流通業トップ、役員の方と会食。独自な理念をつくる、理念を共
有化する、理念を基に商品、コミュニケーションどう展開するのか。おもしろく、
意義のある話し合いでした。
14日(土)パパスのアロハを買いに行く。入門編を一着購入。
15日(日)外出せず、家でぶらぶら。
16日(月)午前「商品開発スパーキング」「マツモト・ミネラル」の原稿づくり。
午後、企業へ。商品コンセプトのブラッシュアップ。仕事を通して中堅が伸び、
若手が伸びているのを見るのはうれしいことです。
コンセプトブラッシュアップ後、打ち上げ食事会。恵比寿から白金台の方へ行っ
たイタリアンレストランへ。
馬肉のカルパッチョ。珍しくそして美味。白アスパラと玉子、エイひれの揚げ煮、
鴨肉ホロネギソース、白魚のパスタ、ホタルイカのパスタ、砂肝のコフィ。
いつもはご馳走になる時ちょっと遠慮がでるのですが、いろいろ、もりもり、ば
くばく食べました。いくらかかったのかちょっと心配。
おまけにおもしろい出会いがありました。白アスパラの話から、隣のお客と意気
投合。テレビ関係の仕事人、ミュージシャンとノリノリの話をしながら盛り上が
り食事会でした。
この1週間もちょっとくたびれましたが、気持ちよく生活しました。感謝。
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
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■『消臭社会』
★解 説
「消臭社会」日本の病理 異物排除の思想生む。
日本では、世の中でいちばん嫌いなものは「オジン臭」だと若者たちは言いか
ねない。時に年寄りや病人は「臭い」といって、老人ホームや病院に追いやら
れる。
日本社会の消臭志向は画一的な学校教育にも現れている気がする。個性はいわ
ば体臭なのに、平等主義の旗印の下、脱臭に取り組んだりして、とにかく「目
立たないように」努力している。企業側も同じだ。建前はともかく、異物を嫌
い、無臭の人材を求める傾向が目立つ。品質管理の面で世界にとどろく産業界
は、人の面でも均質な規格型を求めるようになってきたのではないか。そして
さらに困ったことは、このような消臭社会はヒトにとって敵か味方かを見極め
ることなく、すべての異物を排除しようとする思想を生んでいるのである。
藤田紘一郎(東京医科歯科大学教授・寄生虫学)読売新聞 2001.9.3
★ミネラル
変な人は私にとってほめ言葉です。しかし異質な人にネガティブのレッテル
を貼って、排除していくのが組織です。均一でのっぺらした人たちの中では仕
事はしたくない。しかし、嫌な匂い、嫌なヤツを許容するには相当な覚悟が要
ります。この覚悟はどこから生まれてくるのか。
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■『供給過剰の時代』
★解 説
人類はごみで滅びうる、ものを増やさぬ社会へ日本の労働性生産性は80年前
の20倍。20人でやっていたことが1人でできる。19人は遊んでいてもいいはず。
働かなくていい社会を考えるべき。社会が脳化している、すべてが意識でコン
トロール可能だと思っている。しかし人間は自分の死期さえわからない不確定
性に満ちた存在。人間が本当に学ぶのは現場から五感を通じて入ってくるも
のに直面して、そこからつかみとるしかない。日本は里山的な生活が大事。
養老孟司 朝日新聞 2002.1.8
★ミネラル
里山、棚田など五感を刺激する世界がこれから重要では。里山、棚田からは
生産性を感じないですよね。これらを残さなければ人間はダメになってしまう
という感性が本当に大事な時代では。
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■『「男脳」「女脳」』
★解 説
「成果重視」か「快楽重視」か
男女の買い物行動の違いに関する「買い物脳仮説」
1.女脳の「快楽」と男脳の「成果」
2.女脳の「グロス買い」と男脳の「積算買い」
3.女脳の「点買い」と男脳の「線買い」
4.女脳の「売場でイキイキ」と男脳の「売場で疲弊」
5.女脳の「共存買い」と男脳の「征服買い」
女脳は買い物で仲良しコミュニティーを築きたい欲求があるが、男脳は物を征
服したいと感じる。(博報堂より)
日経新聞 2001.4.26
★ミネラル
スポーツについて男は結果を気にする、女性は選手の個人生活に興味を持つ。
うん。わかるわかる指摘ですね。女性、男性マーケティングにどう活用するか。
アイディア開発のヒントになるのでは。
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■『生存条件を強靱なものとする改革』
★解 説
「成果主義賃金」は、個々の勤労者によって異なる。「生活(生存)条件」
を賃金決定から取り除き、成果と企業業績という「生産条件」一本に収斂させ
てしまうこと。人件費の「固定費」から「変動費」への切り替え。これによっ
て、個人の人生・家族の長期設計が困難になる。改革は必要だ。しかし、それ
は人々の生存条件を強靱なものと見なす方向においてのみ「正統」であり得る。
内橋克人 読売新聞 2004.01.16
★ミネラル
成果主義への疑問です。生活・生存条件が脅かされる社会が健全といえるで
しょうか。生活必要条件は何なのかを見失ってはいけないのでは。
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■『コンパチビリティー(両立性)』
★解 説
究極の「安全」各社追求
「小さな車は頑丈に、大きい車は柔らかく」ダイムラー・クライスラーは、車
の安全性に関する最新の考え方をこう説明する。頑丈な車の代名詞だった「メ
ルセデス・ベンツ」では既に、高級モデル「Sクラス」「Eクラス」では前の部
分を壊れやすく、逆に小型の「Aクラス」では車体全体をより頑丈にしている。
背景には、車の運転手や同乗者を守るだけでなく、衝突相手の車の乗員も守ろ
うという「コンパチビリティー」(両立性)の思想がある。
大型車と小型車が正面衝突すると、通常は小型車の方が損傷が大きい。この思
想は「高級車に乗った会社の社長が助かり、小型車の母子が命を落とすような
車作りは、社会正義に反するのでは」という素朴な疑問から生まれた。
読売新聞 2001.10.10
★ミネラル
コンパチビリティーの発想は素晴らしいが、これを具体的な商品にしていく
難しさは並大抵ではないのでは。しかし、これからの社会ミッションとして魅
力的な発想ですね。みなさんの企業ではどんなコンパチビリティーを考えてい
ますか。
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■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第136号 (2005/5/17) (c) 1999 Japan Orientation
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