1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:商品開発のセオリー スパーキング

19. ナンバーワンのチャンス

富士山と北岳の違い

ナンバーワンの重要性を語るときに、私がいつも話していることがあります。
日本一高い山は、という問いに、誰でも富士山と答えられます。
しかし、日本で2番目に高い山はどこですかと聞くと、答えられる人は格段に減ってしまいます。私も知りませんでした。山好きな人が北岳だと教えてくれました。日本で3番目に高い山は、今でも知りません。
日本一広い湖は、琵琶湖だとほとんどの人が知っていますが、日本で2番目に広い湖はと聞くと答えられる人はわずかです。霞ヶ浦です。私は知っていました。関東で一番大きな湖だからです。
宇宙に最初に飛びだった人は、ガガーリンです、しかし2番目の人は記憶にあまり残っていません。しかしテレシコワの名前は覚えています。女性で1番目に宇宙へいった人だからです。
このように、1番と2番の差は大変な違いです。

情報化社会だから、より1位が優位

情報化社会では、スポットを浴びるのはナンバーワン商品です。
商品そのものがメディア化しています。ナンバーワン商品は店頭でいつも一番多くのスペースをとっています。
流通から見てもナンバーワン商品は効率的な商品として優遇されています。
また、選択肢が多くなればなるほど消費者はナンバーワン商品を選択するモノです。

いろいろな一位が考えられます

一位にもいろいろな一位があります。
一般的には販売実績ナンバーワンです。
代表的なのは、味の素のストロングナンバーワンがあります。
世界で核酸調味料、飼料用アミノ酸75%。アスパルテーム40%でグローバルナンバーワン。国内ではクノール、アミノバイタルなどがナンバーワンです。
トヨタも国内ナンバーワンから、グローバルナンバーワンをめざしています。
全体でナンバーワンになれなければ、部分でナンバーワンをめざすことも考えられます。三越のお茶売場ナンバーワン、サッポロビールの第3のビールナンバーワンがあります。
販売実績ナンバーワンに対して、よく知られているナンバーワン、好感度ナンバーワン、熱烈な支持トップ、リピート率トップ、アフターサービスナンバーワン。残存価値ナンバーワンは、自動車、住宅では大変重要なナンバーワン指標です。

週刊東洋経済から

週間東洋経済にこんな記事が掲載されていました。
「いまどき伸びる金融機関」の特集です。
銀行では、愚直なリストラで総資産利益率トップの横浜銀行、経費率に加え中小企業向け無担保融資で首位の三井住友銀行、奇抜商品で資金量拡大ナンバーワンの東京スター銀行、ロシア戦略でみちのく銀行。
証券では一人当たり営業利益率トップの松井証券。生保では個人規約数トップのアメリカン・ファミリーなど。

カテゴリー・ナンバーワンをめざす商品を開発することが、商品開発部門の役割責任です。もし全体でナンバーワンが困難なら、部分でナンバーワンになれる商品を開発することにチャレンジを。

日本オリエンテーション 松本勝英

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