1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第277号

配信日:2011年1月18日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第277号 Table of Contents □■
    ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『認知的な節約』
      『文語体』
      『ひとり勝ち』
      『リスク』
      『「一神教批判」と「多神教礼賛」』

◇伝言 第109回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
28年目、109回に入ります。商品開発を実践的に深く学ぶ講座として好評です。"これから"の新商品開発をわかりやすく、深く学び、そして考える『場』として展開していきたいと強く思っています。

2011年1月18日(火)
1月になって、いろいろ映画を見ました。
「君を想って海を行く」タテ糸に移民問題、ヨコ糸に愛。お互いがシンクロしながら進んでいく。
「トロン」アクション・ゲーム映画。トロン空間も張りぼて。3Dとしての魅力が薄い。
「モンガに散る」青春友情映画。5人のキャラクターが生き生きしていて感動。エネルギーを感じる。
「人生万歳」人生は自分らしく、自由に生きる。ウディ・アレンらしい映画。
「海炭市叙景」衰退していく雪の街(函館で撮影)で、日常の生活を静々・淡々に描いている。心にしみる。
映画館は2時間の出会いの空間です。たまに、しょっちゅう、映画を見ませんか。

■『認知的な節約』
★気づき
 ヒトはごくわずかな事例から、たくさんの結論を得ようとする傾向がある。大量なデータを比較検討するより、一を聞いて百を知ったと思い込んだ方が楽賃だ。これを認知的な節約。認知的な節約 こうした性質から、たった2〜3例でも、がんが治ったという事例を示されると、その両方の効果を信じてしまう。三つの「た」。治療を受けた、治った、効果があった、という三つの「た」の話ばかりどれだけ集めても、その療法は科学的に証明したことにならない。
認知心理学が専門の信州大学助教授 菊池聡氏
日経新聞2005.9.18

★コメント
 三つは、なぜか説得力を持ってくる。3人の意見がみんなの意見と見られる。認知的節約は、社会に影響を与えているのでは。マーケティングの世界でも。気をつけて使用していかなければ。
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■『文語体』
★気づき
 「見る」に対して「見し」 文語体は短い言葉で多様な意味を伝える。さらに語彙が増え、考え方、感情表現に陰影が生まれる。しかし明治の文語になってしまうと、後ろ向き。いま復活しつつある文語に、漢語の響きがあれば。「短歌のような定型詩は文語の方が引き締まり、余韻が残る。」
朝日新聞2002.4.25

★コメント
 文語体は日本の言文一致言語。今の口語体=話し言葉に対して余韻、深さがある。文語体で話しをしてみる、文語体でメール書いてみると、どんな感情が表現できるか、興味。ネーミングにも使えるのでは。
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■『ひとり勝ち』
★気づき
 危うさはらみメガ疾走
「多様化の時代なんて言うけど、うそ。選択肢を与えるほど人は選択しなくなる。その傾向が最近ますます加速してきた。ほかの人も選んでいるからという理由で、今売れてるものがさらにまた選ばれる。」大前研一(経営コンサルタント)
「ユーザーにとっては、皆で同じものを選択することによって効用がぐんと高くなる場合がある。典型的なのはビデオ。方式が同じでないと見られない。マイクロソフトがひとり勝ちしたコンピューターのOS、よいソフトが続々生まれて価値が出るTVゲーム機など、こうした特性をもつ商品が増えてきている。これを『ネットワーク外部性』と呼んだりします。」新宅純二郎(東京大学助教授)
「総じてひとり勝ち状態とは、その後は下がっていく状態。危うく、閉じた世界になりやすい。瞬間的な快楽はあるかもしれないけれど、あまり健全な感じはしない。」井出洋介(プロマージャン師)
朝日新聞 日時不明

★コメント
 ひとり勝ちは永遠ではない。プロマージャン師の井出氏の指摘がおもしろい。マイクロソフト、セブンイレブン、アップルの次は。成功要因が失敗要因に変わる。これからは大きいことが強いにはならないのでは。
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■『リスク』
★気づき
 人間は利益を得られる局面では、それを確実にする傾向があるが、損失を抱えていると挽回を期してさらに大きなリスクを取ってしまう。
行動心理学者ダニエル・カーネマン教授

★コメント
 日本は今、大きな損失を抱えている。挽回を期してさらに大きなリスクを取るかもしれない。気をつけなければ。
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■『「一神教批判」と「多神教礼賛」』
★気づき
 中沢新一氏によれば、人類は旧石器時代から、超越性・抽象性を目指す一信教へ向かう傾向と、世界を具象的に表現しようとする多神教的な傾向を共に持っており、両者は対立せずに補い合ってきた。多神教的なイメージの強いアメリカ先住民でさえ「たった一人の神がこの宇宙を創造した」とする一神教概念を持っている。ヒンドゥー教シヴァ派には「一」と「多」で成り立つ高度な概念がある。
読売新聞2004.11.30

★コメント
 「一」と「多」は対立概念ではないのだ。もっと歴史をお互いに学ぶことによって、認め合う世界ができるのでは。歴史と神話の世界をもっと理解していきたいです。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第277号(2011/1/18) (c) 1999Japan Orientation
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