1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第278号

配信日:2011年2月1日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第278号 Table of Contents □■
    ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『技術革新の妨げ』
      『過防備都市』
      『行動デザイン』
      『適者生存の競い合い』
      『神話は』

◇伝言
「30代、これからのマーケッターのマーケティング・だべる会」
食品メーカーのNさんから、30代のマーケッターが集まって、現状課題やこれからのマーケティングを話し合う「場」を、という要望で開催。ぜひご参加を。おもしろく、ワイワイやりましょう。
2月22日(火)19時〜 日本オリエンテーション事務所で

2011年2月1日(火)
フェイスブックをやろうかな。フェイスブックで「マーケティング・アゴラ(広場)」という、マーケティングが好きな人の、これからのマーケティングのあり方などを話し合う『場』を作ってみたら面白いのでは。みなさん参加しませんか。ツイッターもいろいろつぶやいています。 http://twitter.com/katsu1970

■『技術革新の妨げ』
★気づき
 ウィンドウズが技術革新を妨げていることがわかった、しかもマイクロソフト内部で。ウィンドウズビスタと呼ばれるソフトの開発がたびたび滞ってきた。問題はこれまでの成功と、OSに多機能を組み入れる戦略が弱点になってきたということ。以前のバージョンが新バージョンでも動作することを確保してきた。その結果、新バージョンを出すたびに、過去の荷物を背負うことになる。「ウィンドウズは、ソースコードの巨大さ、過去のバージョンとの互換性維持のために、いまや巨大で非常に重くなってしまった」(ハーバード・ビジネススクールのヨフィー教授)。
アップルは以前のバージョンとの互換性を捨てて、新技術に移行し、より安定し、きれいに設計されたOSを作ることが出来、マイクロソフトのように何百ものパソコンメーカーや、何千ものソフト会社を巻き込んだ「巨大ビジネス生態系」を扱う必要がない。マイクロソフトはこの問題をどのように解決するのか。出来の悪いOSを使わせるのか。
朝日新聞2006.3.30

★コメント
 イノベーションとは不連続である。成功した商品を改良しながら維持していくだけでは、企業・商品の進化は起こり得ない。不連続へのチャレンジを。過去の成功体験を捨てる勇気が重要では?なかなか難しいが。
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■『過防備都市』
★気づき
 「誰もが等しく、潜在的な犯罪者」だという前提の下に、ストリート、学校、集合住宅などに監視システムが張り巡らされ、都市空間の「スキャナー化」が進んでいると分析。それを都市の軍事化と呼ぶ。誰も見られているのだ。自由に発言できる公共空間はますます狭くなっている。
「過防備都市」五十嵐太郎(中公新書ラクレ)

★コメント
 犯罪において、街の監視カメラが犯人を捉え、検挙に役立ったとの報道が目立ちます。その持っているネガティブについても注意をしていくことが必要では。本質的に過剰は危険だ。
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■『行動デザイン』
★気づき
 行動的デザインの4要素は、機能、わかりやすい、使いやすい、物理的感触。デザインには、本能的デザイン、行動的デザイン、内省的デザインがある。多くの製品は行動的デザインのためだけに好まれる。すなわち、その機能と効用、使い勝手、わかりやすさと物理的感触。内省的デザインも信頼、サービス、単純な楽しみという点で大きな役割を演じている。本能的デザインとは、製品が最初に与える効果、外観、手触り、雰囲気など。
「エモーショナル・デザイン」ドナルド・A・ノーマン(新曜社)

★コメント
 行動的デザインに対して、本能的デザインが重要視されてくるのでは。見た時、触った時、使った時、使われていない時、本能的に好きだというデザインが求められてくるのでは?
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■『適者生存の競い合い』
★気づき
 変化と共に生きる動植物達。サバンナで繰り広げられているのは弱肉強食の争いではなく、生態系の中での適者生存の競い合い。西洋と東洋の自然観−自然の中に人間が包まれる自然観と、人間を中心においた自然観。
『知の「経営」を深める』元花王社長 常盤文克氏

★コメント
 グローバル化の中で東洋的、日本的良さを深めていかなければ。
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■『神話は』
★気づき
 神話は人間共通文化である。神話のイデオロギーは消えない。人間はなぜ神話を作ったのか、なぜ作らざるをえなかったのか。神話はいろいろな面から根本的な問いに答えてくれる。なぜ、この社会は出来たのか、この社会を作った英雄は誰なのか、指導者はその英雄とどんな関係か、神々はどんなものか?どんなコトしてくれるのか、どのような祭りを要求し、どのような罰を与えるのか。神話は神々を通して現実を説明してくれる。神話はなぜ虚構を使う必要があるのか。現実を把握するためには、ある現実の詳しい描写より虚構の方がずっといい。
ヘルベルト・プルチョウ 城西国際大学教授
日経新聞2006.3.11

★コメント
 社会が混乱し、不透明になってきた時こそ、原点としての神話の重要性が高まってくるのでは。中沢新一氏、植島啓司氏、鎌田東二氏、大村英昭氏などの宗教論、神話論が注目されるのでは。一読を。

◆土日一人で映画
「ソーシャルネットワーク」
アメリカの大学生活、社会の良い面であり(アメリカンドリーム)、悪い面(自己欲)を見た。マーク・ザッカーバーグにはあまり異才感を感じなかった。
「白いリボン」
第一次世界大戦前夜の、ある村の奇妙な事件。罰としての、純真の象徴としての白いリボン。渦巻く不安、苦しむ子供。ドイツ映画の傑作では。
「ヤコブへの手紙」
牧師と犯罪者の女性とその姉の物語。ゆっくり、ゆっくり温まっていく、そして自立への出発。宗教的ではあるが気にならない。
「ポンヌフの恋人」
製作20周年記念デジタル版。ポンヌフ橋での孤独な悩みの恋が、自由に解き放たれていく。レオス・カラックス監督、ジュリエット・ビノシュ、ドニ・ラヴァン主演。20年前48歳で見た感動映画の再演。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第278号(2011/2/1) (c) 1999Japan Orientation
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