1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:学び合いの場

「10年後、これからのライフスタイルを考える」メモ

10時近くまで話が弾む。若い人は聞き役になりすぎ(ベテランが話し過ぎ)、対等の立場で触発していくようにして行きたいと考えています。

【まつもとかつひで(日本オリエンテーション主宰)メモ】
1.いま時代の大きな分水嶺を越えたという認識がだいじでは。
 ・豊かさ→幸せ・利己的→利他的・スピード→ゆっくり・大量生産→カスタマイズ・マスプロダクト→マイクロプロダクト・工業的商品→農産物的商品・量→質・集中→分散・定住化→遊動化・画一、同一、一様→個性、こだわり、所有→シェアー・手軽・便利→感動・愛着・単品→システム・機能商品→生活DELIGHT商品など。
2.脱成長・成熟化社会を考える
 ・残業ゼロ、家族とか仲間との共食
 ・これからの自分アイデンティティがだいじになってくる。粋に生きたいよね、自然とともに生きたい、社会に貢献できることをやりたいなど。
 ・フェイスブック、ツイッターなどの電子共同体はどうなるのか
 ・先行指標を考える ブータン
 ・豊かさから幸せへ 200年前の藁ぶき家、京都の町屋暮し
 ・コミュニティの再建 新しい共同体 利他的助け合い、地産地消
 ・時間軸の変換 社会の時間と人間の時間がずれている。人間リズムの回復
 ・身体感の回復 生命体としての身体、運動体としての身体、変容体としての身体、回復体としての身体
 ・自然との共生 人間が自然を取り込むのではなく、人間が自然に包まれる
3.参考に
バックキャスト
既存の延長から発想するのではなく2030年の時代から新しいライフスタイルを発想し、今日、明日、近未来を考える。
ライフスタイルを考える時、制約を取り込んだ魅力的ライフスタイルを発想することがだいじ。
例えば、
「エネルギー消費の削減要求は日本人が本来持っていた豊かなライフスタイルへ回帰するよい機会だと思う。体のリズムや四季を感じる生物としての感性を取り戻すきっかけになる」
「夏にスイカやかき氷を食べるときは冷房が効きすぎているより、汗をかきながらの方がおいしい。味覚のためにエアコンの温度設定を屋外に近づけるのは本来の豊かな生活になる」
「禅スタイルなどが世界的に大流行している。例えば畳や布団などの天然素材を使ったシンプルなものが先進国で先端的デザインと考えられている」

*人間にとっての地球環境問題
エネルギー、生物多様性、気候変動、人口、食糧、資源がライフスタイルに影響を与える
2030年の環境制約
人口;人口1億1800万人(2005年より約10%減少)、世帯数4900万世帯(2005年より約1%減少)生産年齢人口6740万人(2005年より約20%減少)
家族類型の変化→日本の人口は減り始めたが、世帯数はまだ増加している。
地球温暖化;日本全体で平均的に炭酸ガス排出量を50%削減しなければならない。
エネルギー;エネルギー価格が2倍に上昇
資源;資源価格が2倍に上昇
水;水代が2倍に増加
食糧;自給率の低い大豆、混む時、果物、牛肉、豚肉および魚貝類は、入手が不可能ではないが、価格が上がり、時々食する高級食材になるレベルに高騰
生物多様性、社会システム、交通システム産業
これらのことから
「都会に市民農園をつくり、自作自消費をする」→どんな技術、どのような商品を開発するか。

【参加者のコメント】
<Aさん>
いつもながら、仕事以上に夢中に議論し、仕事以上に疲れました。(笑)
10年後の暮らし、ライフスタイルがどうなっているのかを決めるのは、ますます、個人に課される時代が来ると感じました。間違いなく社会が衰退し、経済も大きな拡大が望めない時代の中で、人とのコミュニケーションが重要になるでしょう?しかし、そういう時代だからこそ、個の価値観や、個の生き方をしっかり持ち、社会に対してどんな貢献ができるのか、個の役割が求められる時代になると思います。私も現在の仕事以外に、10年後に社会に求められる存在であれる様、日々変化していきたいと思います。

<Bさん>
敗戦後で軍国主義とともにすべてのアイデンティティをニッポンは捨て、アメリカ主導の経済成長の中でモノを輸出し自らも消費することで幸せを得てきた。そのモノが充足された今、もう一度自分たちのアイデンティティや文化的なモノや技を再認識し、育み世界に発信するべき時期がきた。10年後は、ニッポンらしさのあるライフスタイル<暮らし方>になっていると幸せだと思います。