1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第441号

配信日:2018年9月4日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第441号 Table of Contents 松本プラス忽那□■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『ヒットの条件、視聴率より視聴愛 SNSで共感増幅、ブームに』
      『「科学季評」科学技術発展のリスク AI社会、新たな世界観を
      山極寿一 科学技術という“宗教”に対抗する世界観が必要だ。』
      『住友化学の蚊帳「オリセットR(アールマーク)ネット」』
      『覆る常識(2)独占崩す革新の波 知の力、「小」が「大」を制す』
      『「ノート」走り心地が強み 日産、国内新車48年ぶり首位』
      『「言いたいことは3つ」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範』

<伝言>
第147回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2018年9月27日スタート
“なぜ30年以上、企業から支えられているのか”
☆36時間セミナーで、36の成功の秘訣が深く学べるセミナー
☆40年のコンサルティングの成功、そして失敗のエキスです
☆30年企業のリピーターによって支えられ、続けて来られたセミナーです
☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです

◆『わくわく触発の会』感動、驚き、わくわくの商品を開発しよう。
松本勝英(日本オリエンテーション)と忽那公範(元花王)の共催
わくわくしながら触発し、商品開発、マーケティングのアイディアを得る『場』です。
今回のテーマは
『第2回:イノベーション・マインドを鍛える』 残席3名です。
イノベーション・マインドを鍛える、構え、視点、イマジネーション、クリエーションを高める方法などを触発したいと考えています。
日時:9月19日(水)19時から21時
場所:喫茶室ルノアール 新橋汐留駅前店 会議室(2F)
参加費:1,500円前後実費
申し込みは、9月14日(金)まで、日本オリエンテーションへ。
office_j@jorien.com

2018年9月4日(火)
秋は再スタート
4月に立てた目標、計画をチェックし、もう一度チャレンジのマインドを認識する時期では、会社、部門、個人も再見直し、再スタートをしてみたらいかがですか。
私は9/2からハノイにきています。
9月2日はベトナムの 建国記念日(国慶節) です。
1945年9月2日、ホー・チ・ミン主席が「 独立宣言 (Tuyen ngon doc lap)」 を発表し、ベトナム民主共和国(Viet Nam Dan Chu Cong Hoa)が成立。 東南アジア初の社会主義国家が誕生した記念日です。
ドイモイを経て、今は経済成長も7%前後、魅力的な国です。
9月1、2、3日は3連休、2日到着してすぐ、記念日の休日にわざわざ会いに来て触発をしたい人がいて、今回のベトナムでのファースト・ミーティング。人材育成のプログラムについてディスカッション。
3日も休みながら、10数人が集まって「マーケティングと起業」のディスカッション、起業の意欲がみんな高いです。楽しみです。

■『ヒットの条件、視聴率より視聴愛 SNSで共感増幅、ブームに』
★気づき
 つぶやきで「品薄」、スポンサー動く ネット時代のドラマ、3話以降人気に
「視聴熱」実はこうした視聴者の熱量を表す指標がある。KADOKAWAのWEBサイト「ザテレビジョン」が2016年12月に始めた「視聴熱」だ。SNS上の書き込み量や盛り上がり方などと独自調査を基に集計している。
 実際、視聴熱ランキングの週間ドラマ部門で、おっさんずラブは第4話が放映された5月7〜13日にトップに。「デイリーランキングで10万ポイントを超えるとすごい」(ザテレビジョン編集部)とされるが、最終話の6月2日は28万ポイント超、その週では58万ポイント超となった。
 視聴熱は「人々の熱意を表す指標として開発」(ザテレビジョン)。
テレビをつけっぱなしのまま別のことをしているのと、テレビを見てSNSに書き込むのでは同じ視聴でもパワーが違い、グッズの売れ行きや話題のなり方も変わるという。
日経MJ 2018.07.30 

★コメント
 質×量=成果 今までは量の世界だったが、これからは質が大事になってくる。
質と量のシナジーをどう高めるか。

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■『「科学季評」科学技術発展のリスク AI社会、新たな世界観を
山極寿一科学技術という“宗教”に対抗する世界観が必要だ。』
★気づき
 この春、「人間とは何か」という問いに、AIとゴリラと仏教の視点から考えるシンポに参加した。大乗仏教では、世界を構成するあらゆるものは「縁起」によってつながっていると考える。一見、AIによるネットワークの拡大と似ているが、AIがデータ化された情報によってつながっているのに対し、仏教は直観により世界を把握しようとする。
 たとえば、科学は人間の身体や心の動きを図や画像、数式によって捉えようとするが、それは生物の一側面に過ぎない。生物は本来、仲間や他の生物の動きを様々な感覚を用いて直観的に予測し反応している。そこに情報には還元できない認識力や生物どうしの関係が存在する。
 宗教学者の中沢新一は、言葉や自然科学など、事物を分類して整理する「ロゴスの論理」に対し、事物を独立したものとして取り出さず、関係の網の目の中の作用として認識する「レンマの論理」が、人間に新しい世界観をもたらすかもしれないと述べている。
朝日新聞2018.08.08

★コメント
「生命の知」という概念が大事になるのでは。「学習としての知」が今まで重視されてきたが、AI化が進む中でそれでは捉えきれない「生命の知」の理解が大切。
興味ある方は「生命知としての場の論理: 柳生新陰流に見る共創の理」清水博著をご参照、面白いですよ。

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■『住友化学の蚊帳「オリセットR(アールマーク)ネット」』
★気づき
 ポリエチレンにピレスロイドという防虫剤を練りこみ、薬剤を徐々に表面に染み出させる技術「コントロール・リリース」。もともとは工場の虫除けの網戸として使われていた技術ですが、住友化学は、これをマラリアに苦しむ人々のために役立てられないかと考え、研究開発を積み重ねた結果、防虫剤処理蚊帳「オリセットR(アールマーク)ネット」を開発しました。2001年には世界保健機関(WHO)から世界で初めて長期残効型蚊帳としての効果が認められ、使用が推奨されています。現在、国連児童基金(UNICEF)などの国際機関を通じて、80以上の国々に供給されています。
また、WHOなどが中心となりマラリア撲滅を目標に展開している「ロール・バック・マラリアキャンペーン」にも協力しています。
特徴は、従来のポリエステル製蚊帳と違い、ポリエチレン製で、糸が太く、耐久性がある。
蚊帳の糸に練りこんだ防虫剤が、洗濯等により表面の薬剤が落ちても中から徐々に染み出し(「コントロール・リリース」)、防虫効果が5年以上持続する。
暑いアフリカでも使いやすいよう、網目の形状を工夫し、風通しが良い。
経済的にマラリアを予防することができる。

★コメント
 これからの開発で、SDGsの考え方が大事になる。世界の公衆衛生を改善することに日本企業が貢献できるのでは。住宅設備メーカーのリクシルが開発した、低価格のトイレ「SATO」、関西ペイントは2018年度後半からアフリカで蚊よけ塗料の販売。これからのおもしろいテーマでは。

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■『覆る常識(2)独占崩す革新の波知の力、「小」が「大」を制す』
★気づき
 カギを握るのは技術革新だ。ロケットラボはエンジンの燃焼室や燃料噴射装置の作製に3Dプリンターを活用。チタンなどの硬い金属でも複雑な形状を低コストで作ることを可能にした。新技術の活用と分業を世界規模に広げることで資本集約というものづくりの「かせ」を解き放ち、人工衛星では製造コストを最大100分の1に下げた。
「半導体などの部品やソフトの性能は上がり、コストも安い。新技術を活用する『知』さえあれば、宇宙産業に参入するハードルは低くなった」と東大航空宇宙工学専攻の中須賀真一教授は話す。
「巨大企業の存在感は低下し、個人や小規模の事業体の役割が増すだろう」と文明評論家のジェレミー・リフキン氏はいう。
日本経済新聞 2018.04.24

★コメント
小さい企業、個人でも、スピードが速く、「知」のある企業が、新技術を活用してリードする世界が来ている。既存概念をひっくり返すベンチャーに期待大。

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■『「ノート」走り心地が強み 日産、国内新車48年ぶり首位』
★気づき
「ノート」は外観やコンセプトに特段の目新しさがあるわけではなく、低価格を売りにしているわけでもない。販売増をけん引したのが、ガソリンエンジンで発電した電気でモーターを回して走るハイブリッド(HV)技術「eパワー」だ。
競合他社や評論家からは「決して新しい技術ではない」との冷ややかな声も多い。
しかし、ノートのeパワー搭載車は結果的に加速性能と値段のバランスがとれた商品となり、消費者の支持を集めることになった。現行のノートは12年発売だが、eパワー搭載車が追加された16年11月以降の累計販売をみると、約7割の購入者がガソリン車よりも約20万円高いeパワー仕様を選んだ。理由はガソリン1リットル当たり34キロメートルと高い燃費性能だけではなく、独特の運転感覚にもある。
日本経済新聞 朝刊 企業1 (12ページ)2018/7/6

★コメント
 新しい技術でなくても、消費者に新しい価値を提案できればヒットをする。燃費と乗り心地の良さの「価値のハイブリッド」。既存技術を活用して、消費者の生活メリットの「ハイブリッド化」を考えてみたい。

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■『「言いたいことは3つ」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範』
 プレゼンや人との会話をする時は、話の内容を3つにするといいです。3つくらいでしたら、メモをしなくても覚えられます。また、指示した場合にも実行しやすいと思います。10になると、結局、内容が伝わりません。10言いたい時は、ポイントは3つと言って、ポイント1の中にabcと3つあると話をするといいです。
あと、この話は、仕事の仕方についても活用出来ます。商品像を話す時に、コンセプトは1つがいいです。コンセプトの要素は多くても3つまでに。3つを徹底的に説明するようにした方がいいです。ついつい、いろいろな角度、いろいろなデータで、説明したくなりますが、判断する相手に、どれかのデータがひっかかると思って、多くを言ってしまいます。でも、発想の拡散のヒントを与えることになってしまい、決まりませんし、思った方向に向かいません。結局、言いたいことは1つ。要素は3つにまとめて説明する方が、プレゼンが成功します。
やっぱり、ポイントを絞る勇気が必要ですね。
忽那 公範(くつな きみのり)

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
この頃映画を観ていない。トイレが近くなって途中でトイレに行くことが苦痛になっている。面白い映画があるのに残念。ベトナムから帰ったら週2〜3本映画を観に行きたい。映画は映画館で見るのが一番。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第441号(2018/9/4) (c) 1999Japan Orientation
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