1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・商品開発ミネラル」

【マツモト・商品開発ミネラル】第264号

配信日:2010年7月6日

7月6日(火)
肌寒かったのに急に蒸し暑くなったり、天候に翻弄されています。大阪出張(24・25・26日)ではその蒸し暑さにダウン。この夏をどう元気で過ごすか。しばらく休んでいたエアロバイクに再度挑戦で体を動かし、汗をしっかりかいて、マッサージを定期的に受ける。この夏をひょうひょうと超えたいですね。ツイッターも再開しようと考えています。

■『高福祉を守り成長』
★気づき
 日本人は北欧について「高負担の国々が、どうやって経済成長できるのか」という点に関心を抱くが、彼らは経済成長よりも、尊厳をもって生きられる社会をどうやって築くかを重く考えている。スウェーデンでは、社会サービスを「オムソーリー」と呼ぶ。「悲しみを分かち合う」という意味。他者に優しくし、必要とされる存在になることが生きることだと考える。その概念によって社会が支えられている。日本では、税や社会保険料を「負担」と考える。高負担だと海外投資が呼び込めないと思いこみ、規制をなくして「小さな政府」を目指す。財政負担が重いという理由で後期高齢者医療制度をつくる。
 大学生の調査で「この社会は、気をつけていないと誰かに利用されてしまうか」という問いに、日本は8割が「そう思う」と答えた。フィンランドは25%だった。
朝日新聞 2008.5.5

★コメント
 日本には、本来、自他的(他の人のことを考える)な考えが文化としてあった。アメリカ的価値観(新自由主義)の浸透とともに日本の文化は衰退してきたのでは。これからは「分かち合う社会」を目指さないと、みんなが不幸になってしまうのでは。「分かち合いの経済学」神野直彦(岩波新書)を読みましたが、これからの社会をどう作っていくかの参考になります。一読を。
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■『商品開発モデル』
★気づき
2代目ステップワゴンの開発心得
1. 素人集団の知恵を生かせ
2. 顧客層は徹底的に絞り込め
3. 調査会社の逆を行き個性を磨け
日経新聞 2001.5.18

★コメント
 過去の成功体験を捨て、新しい成功体験を作りださないと成功はしない。特に2代目開発は過去の成功体験を捨てることが重要。
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■『漢字商品KW』
★気づき
季、技、絆、質、熟、姿、静、正、爽、創、揃、楽、魂、単、華、永、必、変、美、味、深、実、魅、皆、遊、勇、優、和、安、癒、技、感、小、個、先、鮮、素、多、単、共、驚、強、五、清、誠
博報堂 山本貴代「モノの意味を漢字で表現」 日経流通新聞 2004.2.10

★コメント
 たいへんイメージが膨らむ一字漢字です。みなさんの商品で考えてみたらいかがでしょうか。
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■『モルヒネ経済』
★気づき
 森岡正博氏の「無痛文明」とは「苦しみやつらさから目をそらしていく仕組みが、社会の隅々まで張りめぐらされた文明」。無痛文明は、人々が予測不可能な自分の人生を悔いなく生きるための力を奪い取る。そして人々も次第に無痛文明と共犯関係を持つことになる。もし無痛文明がこの時代を表すとするなら、その経済への現れこそ「モルヒネ経済」そのものである。「モルヒネ経済」からの脱却は、痛みを自ら感じること、そしてそれに感謝することから始まる。
東京大学教授 西村清彦「経済論壇から」 日経新聞 2004.1.25

★コメント
 「無痛文明」を以前読んだことがあります。痛みを回避し、拒否することの将来の痛みの深さを感じます。
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■『生活創造者のライフスタイル』
★気づき
・自然でオーガニックな製品・食物
・代替・全体的な健康管理
・エコツアー、斬新的な旅行
・社会的責任投資=2兆ドル
・教育とワークショップ
・家庭の個人化
・精神療法とカウンセリング
・買いたいと思っているモノ・コト
 生態学的に維持できる製品
 グリーンで、安全で、低・中価格の車
 ソーラー・ホームと総合計画的なコミュニティ
 子供らにとってよい教育
 彼らの価値観を尊重するメディア
 補完的な健康管理と保険
 芸術における、より理想主義的で、神秘的な深み
『新ライフスタイル「LOHAS」がビジネスを変える』ポール・レイ博士
2003年11月14日講演会より

★コメント
 これからの市民消費社会の生き方に通じる。自分にとって良いこと、社会にとって良いことをいま消費者は求めだしている。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

【マイカレンダー】2010年6月15日(火)〜7月5日(月)
第106回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー、コンサルティング、大阪で2泊3日の仕事、健康診断、「食のマーケティング」を考える会、センソリーの話をしたり、いろいろな人たちと会話をしました。企業の社長ご招待の快食、大塚「こなから」での快食などありいろいろでした。映画が見られていないのがちょっとストレスです。

6月18日(金)19日(土)20日(日)八戸、宮古、盛岡一人旅。高村薫の「レディ・ジョーカー」読みながら、八戸へ。「レディ・ジョーカー」の主人公の一人である物井さんの出身地が八戸で、昔の貧しさ、心根を感じ取りながら読んでいると物語が膨らんできます。八戸から、青森の県立美術館に行こうと改札で切符を買おうとした時、中年のおばさんが孫を電車に乗せたいとウロウロ。この十年以上電車に乗ったことがないので切符を買うことが出来ない。買い方を手伝って2人は乗車。

青森県立美術館はなかなかいいです。奈良美智、棟方志功、橋本花など、青森の芸術家の絵画作品が展示。青森の芸術家の独自性が見えてきます。また、マルク・シャガールのバレエ〈アレコ〉の舞台背景画も見事でした。八戸〜青森の鈍行の行き帰りで、田舎の(失礼)高校生がいっぱい、地方に来た感じ満喫。八戸の夜は、行きつけの「ばんや」で一杯。吉永小百合が来た「山喜」で一杯、最後は行きつけのスナックで一杯。どの店でも地元の人と話が弾み、いろいろごちそうになりました。

八戸線、三陸リアス鉄道で宮古へ。電車の中には団体がいたり、似合わないケバケバの女の子がいたり、鉄ちゃんがいたり、面白い道中です。当日は冷たい山瀬が吹いており一面霧で何も見えず。浄土ヶ浜も霧一色。浄土は拝めませんでした。宮古では何回も行ったことのある「魚元」で一杯。ホテルの大型テレビで、モスバーガーとビールでワールドカップを一人観戦。敗退で飲みに行こうとしたら、街は真夜中でした。

宮古から盛岡まで山田線で2時間ちょっと、山の中を木々とすれすれの川沿いに進む。絶景です。景色/コスト・パフォーマンスは最高でした。また紅葉の時はぜひぜひ来たいと思いました。盛岡では冷麺、焼肉を食べて、ちょっとした土産を買って、「レディ・ジョーカー」を貪り読んで東京着。旅をしながら、いろいろな人々の日々の生活に営みを感じてきました。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第264号(2010/7/6) (c) 1999Japan Orientation
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