1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・商品開発ミネラル」

【マツモト・商品開発ミネラル】第261号

配信日:2010年6月1日

『再魔術化』『グルメ指向、本物志向』『編集手帳』『自己差別化』『消費も「公益」がトレンドに』

6月1日(火) 6月のスタートと、2010年折り返しです。
「食のマーケティング」研究会をやりたいと考えています。美味しさの開発、食欲とは、食べると喰う、飲むと食べる、やみつきとは、世界の食に学ぶ、伝統の再復活、ロングセラー食品のヒミツ、食と健康のメカニズムなどなど。

■『再魔術化』
★気づき
 「現代の社会は魔術の世界に近づいている。」「古い時代から人間は合理性を超えた神秘の世界に心を引かれてきた。21世紀の人間は今度は夢のような消費社会の魔力に見せられている。」(思想史家山之内靖氏)
 「情報や記号は現実を写したもののはずだが、情報化された世界が現実以上にリアルに見えるために、ホンモノの世界からは現実感が消えてしまった。気がついてみると、何が本当の現実なのかがわからない。現代人は魔法の森の奥深くで迷って、後戻りできなくなったのかもしれない。」(早稲田大学教授 塚原史氏)
 近代文明が究極の発展を遂げた21世紀に、なぜ非合理な世界が再び姿を見せているのだろうか。「大きな理由は科学技術が実は魔術と切り離せないものだ。」「近代科学技術のある側面は伝統的に魔術の根ざしている。」「万有引力のように見えない力を説くことも、当時は一種のオカルトだと思われていた。」「人間が自然を操作することが出来るとする考え方自体に、そもそも魔術性がある。かつては魔術が果たした役割を、現代の社会では科学技術が担っているといえる。」「科学技術の光と人間の理性によって世界のすべての世界のすべてを明らかにするという近代の目標も結局は挫折した。」「暗い闇を消しても、その先に別な闇があらわれる。闇を消す努力自体が新しい闇を生み出す。文明社会が人間に強いる痛みや病を見ても、人間がいきる世界には、どこまで行っても暗闇の部分が残ることがわかってきた。」(村上陽一郎 国際キリスト大教授)
科学文明が高度化すればするほど、そこに陰のように寄り添ってきた魔術的な世界も力を増していくのか。
21世紀論 朝日新聞編集委員 清水克雄 朝日新聞2006.2.13

★コメント
 おもしろい21世紀論で、共感です。科学で何でもわかると思っていたが、わからないことがどんどん生まれてくる21世紀。魔術的、神話的なマーケティングとは?
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■『グルメ指向、本物志向』
★気づき
 グルメ指向、本物志向という言葉は「夫は料理や味にうるさい」ということ。「カップスープのコーンスープは粒入りでなければ嫌だ」ということ。グルメ指向や本物志向という言葉を「遊び」や「レジャー」「情報テック」「変化刺激ニーズ」に近い感覚で使っているのである。

★コメント
 食に遊びを取り込むことが、新しい食文化を生み出していくこと。遊びが文化を生み出していく。遊ばなければ。今は遊びが足りない。
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■『編集手帳』
★気づき
 「誰が水を発見したのかわからないが、魚ではないだろう」(マーシャル・マクルーハン)。そこに住み、いつも目にして、接している魚は、案外水に気づかないものだ。 湖を見つけた鳥が舞い降り、湖面に射すその影を見て、水という不思議なものを知る。そういう魚がいたかもしれない。
編集手帳 読売新聞2006.3.30

★コメント
 日常の中に不思議を感じ取る。そんな力を持ちたいですね。
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■『自己差別化』
★気づき
 「他店見学をしてはいけない」とは、他店を見学すると他店の良さを取り入れようとして、物まねになる。競争とは自己差別化です。社会が豊かになればなるほど、自己差別化が求められる。
鈴木敏文氏

★コメント
 モノマネにならないベンチマークは、本質をつかみ、その次を考えること。
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■『消費も「公益」がトレンドに』
★気づき
 08年の消費トレンドのキーワードとして浮上したのは「社会性」や「公益」。04年から一貫して「自己実現志向」は下落。逆に「公益志向」は上昇、07年は自己実現志向を大きく上回った。ここでいう公益志向とは「地球環境のために取り組みたい」「ものの豊かさより心の豊かさ」「義理・人情を大切にしたい」「あたたかな家庭や社会をつくりた い」といった価値観を指す。消費は洗練されており、文化的生活を享受しながら持続可能な活動をする。キーワードは「上質な普通」「エコラグジュアリー」。ペットボトル飲料を買わないよう高性能の水筒を持ち歩く。無駄に大きくない小ぶりな車を買う。リサイクル品も歓迎。そんなイメージ。
日経MJ 2007.12.14

★コメント
 坂本龍一は、ニューヨークのレストランで、ミネラルウォーターではなく、水道水を飲むことのほうがカッコイイと言っていました。マーケティングは消費者と社会の支持と満足を得る全社一丸の取り組みです。これからは社会の支持と満足がより重要になってきます。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

【マイカレンダー】2010年5月18日(火)〜5月31日(月)
ツイッターで毎日感じたことをつぶやいています。マーケティング・エッセイ風にしていきたいと考えています。アドレスは http://twitter.com/katsu1970  のぞきに来てください。
3週間風邪をひき体調不良。頭がすっきりしない。黄砂のアレルギーでは、とかストレスでは、とかいろいろ言われています。一番の問題は食欲の低下です。
18日(火)企業の部課長の真面目な酔っぱらい会。神田「みますや」昔の下町居酒屋で、飲んでいる人みんな元気です。
20日(木)21日(金)「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー。21日の終わりごろになると声が出なくなり、集中力がちょっと欠ける。参加者の皆さんすみません。

24日(月)「これからの美味しさ開発」。幾つかのヒントが得られました。積み重なっていくと大きな財産になると思います。夜、コンサルティング打ち合わせ。研究所長を入れて、企画提案型研究所と研究開発テーマの開発。

25日(火)コンサルティング。クライアントの企業の人たちが頑張ってくれています。ぜひ成果を出さなければ。会計事務所と決算の打ち合わせ。
26日(水)27日(木)28日(金)大阪出張をキャンセルして、事務所で静養。
31日(月)Oさん来社。ネットの話。Kさん来社。今までのマーケティングとこれからのマーケティング意見交換。

土日朝一番で映画を見る
◆「アリスインワンダーランド」ティム・バートン監督 ジョニー・デップ主演
どんな反応があるのか楽しみに4歳の孫と3Dの吹き替え版を見に行きました。2度ほど怖いと言って、メガネをはずしたり、つけたりしていました。荒涼とした背景とストーリー、そして3Dの迫力がちょっと怖かったのかも。帰りには、白の女王、赤の女王の似顔絵を描いていました。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第261号(2010/6/1) (c) 1999Japan Orientation
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