1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・商品開発ミネラル」

【マツモト・商品開発ミネラル】第256号

配信日:2010年3月16日

『品質改善の方向性を定める二つの指標』『デジタル時代の研究開発体制は「マージャン式」でなければ』『明・暗・黙の知』『商品とは』『センス』

3月16日(火) ちょっと初心に
名刺を変えてみました。松本勝英をひらがなの、まつもとかつひで、にしました。何か初心に戻りたいという気分があります。ゼロからの新しいスタートをしてみたい、が心境です。まつもとかつひで、をよろしく。

■『品質改善の方向性を定める二つの指標』
★気づき
 「顧客忠誠指数(カスタマー・ロイヤリティー・インデックスCLI)」顧客が「サンにたいしていかに忠誠を誓っているか」→「将来サンの商品を再購入するかどうか」と「他社にサンを推薦するのかどうか」を指数化。CLI算出のために約22,000社の顧客に対し7種類のアンケート調査を実施、CLIを高めるために各社のCEOから販売代理店、情報機器の調達責任者などにアンケートの対象者ごとに質問項目を変えている。
もう1つの指標は「顧客品質指数(カスタマー・クオリティー・インデックスCQI」顧客の不満の要因と度合いをもとに算出し、ゴルフのスコアのように指数を上げる。
米サン社の強さの秘密 日経産業新聞2000.6.5

★コメント
 他の人に勧めてくれるという指標を取り込んだ、「顧客忠誠指数(カスタマーロイヤリティー・インデックスCLI)」の概念がいいですね。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『デジタル時代の研究開発体制は「マージャン式」でなければ』
★気づき
 アナログ時代のように、こつこつサイコロを振って出た目だけ進めば、いつか成功する時代ではない。マージャンでは必要なパイが揃わないと勝てない。同様に、必要な技術をすべて結集しないと、他のプレイヤーに先に上がられてしまう。
松下電器専務 三木氏 日経産業新聞2002.1.1

★コメント
 総力戦です。オープンイノベーションも重要なテーマです。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『明・暗・黙の知』
★気づき
 明の知とは言葉や数値、図表で表すことの出来る知。暗の知とは人の身体に属する知。黙の知とは黙ってそこにおいてある知。
『知の「経営」を深める』常盤文克

★コメント
 これからは、職人の知、ベテランの知としての暗の知、『場』の力がもたらす黙の知が重要になってくる。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『商品とは』
★気づき
 商品はメーカーにとっては目的だが、消費者にとっては生活目的を実現するための手段である。商品はものから離れライフスタイルと結びつけて理解することが重要。今所有されている商品群は消費者のライフスタイルそのものである。

★コメント
 消費者にとって、商品は生活の手段である。所有商品からライフスタイルを見るのも面白いですね。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『センス』
★気づき
 瞬間的な反応である感覚と、正しく考えるための知識の間に、様々な知識がジグソーパズルのように組み合わされて形成されている「センス」というものが存在する。これがパターンマッチングという方法で判定しているから、人間の脳は速く、間違いのない判断が出来る。センスの形成が十分ではなかったり、誤っていたりすることが、間違った行動に つながるわけ。地球に対するセンス、人間に対するセンス、両者をつなぐ部分に対するセンス・・・すべての人が、よい環境センスを持つことが出来ると、環境のかなりの部分が一気に改善されるはず。情報を、一つの基準だけではなく、複数の軸に置くことも必要。環境負荷を考えた軸、地球の有限性を考慮した空間軸、生命の流れを中止にした時間軸、福祉、幸福の社会軸もあるのでは。現状は経済軸、お金持ちになる軸だけが重点的に語られているのでは。
国連大学副学長 安井至 朝日新聞2006.3.28「朝日環境フォーラム」よりメモ

★コメント
 センスを磨いて適切な判断を。センスは日頃の問題意識が育てていくのでは。環境センスを磨きたいですね。 

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

【マイカレンダー】2010年3月2日(火)〜3月15日(月)
2日(火)コンサルティング。使用テストの結果を読んで、導入時の検討課題をチェック。夜は、企業の人たち10人と、荒木町「夜市」で「マーケティング・だべる会」。2次会へ。
3日(水)コスメマーケティングの打ち合わせ。商品開発大全のテキスト作り。

4日(木)商品開発大全「ニーズの発見・開発」講演。需要創造型ニーズ開発。消費者の自発的な声をニーズ化するには。
5日(金)商品開発大全「市場創造型・新商品開発」講演。新視点でセンスを磨く、時代を読むなど。講演後、ゲスト講演者と大塚「こなから」へ。2次会へ。
9日(火)商品開発大全「商品開発システムの革新」講演。クリエイティブな仕事をどう増やしていくのか。生活者研究などの商品開発プラットフォームづくり。ロングセラーづくりなど。
10日(水)商品開発大全「成功商品・失敗商品の事例から学ぶ」講演。製品と商品の違い、コンセプトを核にした商品作り。ブレークスルー、ギャップを埋める。

11日(木)企業の方が来社。「これから」をテーマに話し合い。午後は、客員研究員と「これからの美味しさ開発」3時間ディスカッション。嗜好の変化、成功商品作りと「これからの美味しさ開発」について。
12日(金)コンサルティング。「これからの美味しさ開発」の切り口。
15日(月)企業訪問。アジア市場の開発。需要創造の仮説づくりなど。
4日間セミナーで講演。ちょっと疲労。

土日朝一番で映画を見る
「海の沈黙」ヌーベルバーグの先駆者ジャン=ピエール・メルヴィル監督。
世界史上に残るフランス映画の名作。ドイツ占領下のフランスの地方で暮らす老人とその姪の家に、フランスの文化に共感するドイツ人将校が同居するストーリー。沈黙をもってドイツに対する抵抗の態度を示す老人と姪。ドイツ人将校の苦悩。緊張と重厚な名画です。3月20日から「抵抗 死刑囚の手記より」が上映されます。(岩波ホール)

「バッド・ルーテナント」ヴェルナー・ヘルツォーク監督 ニコラス・ケイジ主演
悪徳警部の物語。高級娼婦を愛人にし、麻薬常習者である警部が御手柄を立て、表彰されるストーリーです。ニコラス・ケイジの味で見せる、息抜き映画。観客もまばらでした。

■■■.......................................................................................‥‥・・
■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第256号(2010/3/16) (c) 1999Japan Orientation
・‥‥.......................................................................................‥‥・・

前のミネラル 次のミネラル