1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第227号

配信日:2009年01月06日

第227号
『超楽天主義のすすめ』『和の世界の豊かさ感じて』『日本製品のオタク性・10の法則』『ネットの力 時代を開く』『異業種と「融合産業」形成を−「内向き」脱し新事業モデル』

2009年1月6日(火)今年初めてのマツモト・ミネラルです。
あけましておめでとうございます。

世界経済の急速な減速化、市場の激動化。
これから矛盾が具体的に表れてくると思いますが、楽天的に考え、困難な課題に立ち向かっていけば、新しい道が開けてくると思っています。困難な時こそ新しい発想が出てくるものです。
本年もよろしくお願いします。

■『超楽天主義のすすめ』
★気づき
 条件付き楽天主義ではなく、無条件の、絶対的な、いつどこでもの超楽天主義。
それには2つの工夫が必要である。1つはたくさんの希望(のぞみ)を持つこと、すなわち希望複数主義である。正確には、たくさん希望を持つことの自覚が希望複数主義である。
 われわれの日常生活は、単純で小さな希望の絶えざる実現過程に満ちている。しかし、望ましい目標が大きくて、実現に必要な手段がむやみに複雑なこともある。
うまくゆくかどうかわからない。うまくゆかなければ、それでも「挫折」感にとらわれず、絶望せず、彼方に一条の光を望むことをやめないためには、どうすればよいか。
 そこで2つ目の工夫が必要になる。行き先のはっきりしない大事については、初めから最悪の結果を予想する。もし予想が誤りだったら、自他共にそれを喜ぶ。
もし正しければ、あらゆる悲惨のただ中に生き延びるとして、少なくとも私自身はトロイの滅亡を警告したカッサンドラの知的自負を以て自らを慰めることができる。
 希望は目標であり、目標は動かず、方向を与える。動くのは当方との距離である。その伸縮に一喜一憂することはない。
                評論家 加藤周一氏  朝日新聞2007.1.22

★コメント
 昨年12月に亡くなった加藤周一さんの言葉です。今の時代に絶対必要とされる考えです。2009年は超楽天主義でいきませんか。
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■『和の世界の豊かさ感じて』
★気づき
 最初、カリフォルニアの鮮やかな色にあこがれて取り組んできましたが、カリフォルニアは乾燥していますから色はきれいに映えるんだけれど、湿度感がないんですね。
 海の向こうから見たら、改めて日本が見えてきた。あっけらかんとしたあちらの色に比べると、色に深度がある。四季折々の自然の色があり、陰影がある。
このことに気づいたきっかけは、偶然見た歌舞伎なんです。歌舞伎って色鮮やかなんですよね。それが暗転する。一瞬、間があって、次の瞬間に桜がパッと映えたりする。鮮やかさと闇。その瞬間に、「ああ日本は色が豊富な国なんだ」とハッとした。
 和服を着るのは時間がかかるじゃないですか。いろんな手順があって。このゆっくりとしたテンポの中にこそ、日本があると思うんです。
        イラストレーター わたせせいぞう氏  朝日新聞2007.11.6

★コメント
 外から日本を見る。面白い国ではないでしょうか。外へ行こう。そして帰ろう、新しいものの見方を持って。
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■『日本製品のオタク性・10の法則』
★気づき
「オタクで女の子の国のモノづくり」
法則1 擬人化が大好き
クルマのヘッドライトの擬人化 「二輪車の顔」と隈取りガンダム すべて擬人化して供養 萌え系文化としての「オタクの文化」 通常の擬人化と萌え擬人化は、ツールと道具。
法則2 個人カスタマイズ
マイ道具への愛着 日本の和食器 箸、茶碗と欧米の食器 スプーン、フォーク 進化する携帯デコレーション なぜ新幹線の種類はこんなに多いのか
理由の1つは、買い手側の感性に根ざしたもの「ちょっとだけ違うもの」の価値を高く評価。もうひとつは、作り手側の職業意識。日本人は何をやるにしても「道」に仕立て上げてしまう。「こだわりカスタマイズ道」を極める家電
法則3 人を病みつきにさせる
法則4 寸止めを狙う
法則5 かすがいの働きをする
法則6 「恥ずかしさ」への対策になる
法則7 健康長寿を追求する
法則8 生活の劇場化を目指す
法則9 地球環境を思いやる
法則10 ダウンサイジングを図る
「オタクで女の子な国のモノづくり」講談社BIZ 著者:川口盛之助
川口盛之助氏 morinosuke.kawaguchi@adlittle.com

★コメント
 日本人の文化にもとづく「ものづくり」について、10の法則としてまとめています。グローバル化の中で「日本独創」を考えるヒントがたくさん入っています。3〜10まではタイトルだけです。ぜひ本文をお読みください。
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■『ネットの力 時代を開く』
★気づき
 世界最大の家電見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)の一般公開を翌日に控えた六日夕。米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長の講演が始まった。
 見せ場は講演の終盤にやってきた。ゲイツ氏の手には黒っぽい四角い箱。内蔵カメラで人物や建物を撮ると、その人物が誰で、建物が何かを瞬時に画像分析。
ネットなどを通して関連情報を呼び出して教えてくれる。例えば見知らぬ土地でもわずかな手がかりから、迷わず街を探訪できる。写真を撮った個人のプロフィールなどの情報も引き出せるようになるとみられる。
 ネットが技術の新世界を開くサイクルが続くことを示唆したデモンストレーションで、ゲイツ氏にとって最後のCES講演を締めくくった。
                          日経産業新聞2008.1.8

★コメント
 すぐ分かってしまうことは素晴らしいことですが、私は分からないことも重要だと考えています。分からないからわかろうとする、その力が人間力では。
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■『異業種と「融合産業」形成を−「内向き」脱し 新事業モデル』
★気づき
 農業も「融合産業」という「仕組み」の中で考えれば、さらに大きな可能性が広がる。例えば、農業、製造業、流通業、外食産業などの食を扱う業種から成り立つ「食産業」ととらえ、業種間の連携でメリットを享受する関係を構築することが可能になる。戦略的農業国には、アルラフーズ、フォンテラなどグローバルニッチの食品企業や農協があり、彼ら主導の下、農業を含む食産業を活性化させている。国内にはカルビーやカゴメなどがある。
 農業は参入障壁が高いため、閉鎖的で保護主義的で内向きの農業を作り、なかなか「融合」へ入れないでいる。これでは国際的に自己主張可能な農業の構築はできない。
               宮城大学 大泉一貫教授  日経新聞2007.8.28

★コメント
 既存概念を打破し、上位概念的発想で考えることが必要です。「融合」は上位概念を成功させる重要要因では。
                      
                  日本オリエンテーション主宰 松本勝英

【マイカレンダー】2008年12月16日(火)〜12月26日(金)
毎年この時期になると、仕事はひと休みで来年に備える時期ですが、なにやかや忙しい年末でした。

16日(火)2009年1月の社内教育打ち合わせで企業の方が来社。午後、客員研究員の方々と打ち合わせ。
17日(水)コンサルティングスタート。評価システムの革新。事前・事後評価による新商品開発システムの構築。午後、コンサルティング。変化を引き抜き、新しい切り口を開発する、の最終回。その後打ち上げ、快食。

18日(木)コンサルティング。2位戦略の構築。トップに対する明確な選択軸づくり。夜、「生命論パラダイムの文明へ」田坂広志氏の講演を聞きに行く。弁証法的発想による未来の予見について。前日より足が痛く、快食なし。
19日(金)恐れていた痛風の発作。コンサルティングの仕事キャンセル。
22日(月)休み。

23日(祭日)出社。休みでできなかった仕事をする。
24日(水)企業の人とコンサルテイング打ち合わせ。午後、コンサルティング。ポジショニングマップにもとづくテーマ開発。
25日(木)コンサルティング。生活メリット開発とターゲット開発。夜、今年最後の「マーケティングだべる会」。お酒は自粛。
26日(金)情報の大掃除をする予定でしたが、なにやかやで出来ずじまいに。
2009年は体調万全の年にしたいと思っています。

一人で土日映画を見る
「英国王給仕人に乾杯」
チェコ映画で個性的です。小柄な青年が、英国王の給仕長だった人のもとで働き、ドイツ侵略の中、幸福と不幸を繰り返しながらホテル王を夢見て生きていく映画です。最後は平穏を取り戻す。面白い映画でした。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第227号(2009/1/6) (c) 1999Japan Orientation
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