1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第386号

配信日:2015年10月6日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
・・‥‥…………………… by Japan Orientation ………………‥・・・

■□ 第386号 Table of Contents □■
◇マツモト・商品開発ミネラル
『伝統や名声を、「独自性」化に積極的に結びつけよ』
『生物の生存戦略にはどのようなものがあるの?』
『ブランド戦略の基本』
『買替えの促進』
『進化的に安定な戦略ってなに?』

<伝言>
第134回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2016年2月4日スタート 年4回のプログラムです。
★商品開発プロになるための実践練習場です。
★“利益を生み出す新商品”を開発する、考え方、知恵・ノウハウを学ぶ。
★好奇心に火をつけるセミナーです。
商品開発カウンセリング
商品開発社内教育

2015年10月6日(火)
ここまで来られて、みなさんに感謝です。
1999年10月1日創刊から16年、386号まで来られました。
事務所にいたKさんの、「松本さんのメルマガをやりませんか。メールで送ると無料に近い費用で送れますよ」という提案がスタートでした。疑心暗鬼でスタートしましたが、今では4000人以上の方々にヒントビットと合わせて毎週お送りしています。
K社の人は毎週プリントアウトして保存しています。A社の役員は年末になるとどのようなテーマが多いかを分析しているとの話を聞きました。意見を返信してくれる方もいます。
みなさんに支えられて16年続いてきました。少し疲れてきましたが、私自身の勉強のためにも続けていければと考えています。みなさんに感謝です。

古いメモから起こしたので出所不明があります。すみません。次回はそのようなことがないように気をつけます。

■『伝統や名声を、「独自性」化に積極的に結びつけよ』
★気づき
 伝統は人間から不安を取り除く−「伝統が心理的に重要なのは、人間を持続性のある何かに参加させるからである。伝統は、前世代の死と次世代の誕生という流れの中で、人間を過去から未来に向かって動く歴史に結びつける。それは人間を不滅性と結びつける。伝統や祖先とのつながりなしでは、人間は孤立し、放り出され、見捨てられる感じがする」。
伝統とは「持続」であり、自分がその流れの一員になることで死を克服できる、ということである。伝統ある企業や商品との関わりは継続性のある生命との強力な結びつきになる。伝統が後世に伝わることで、祖先との共感が生まれる。持続とは参加であり、合体である。
スタインウェイのピアノは「不滅の楽器」、バドワイザーは「1876年以来、アメリカを代表するクラシック・ラガー」。消費者とのつながりである伝統と、進歩性とを組み合わせるという戦略は、成功し続けるための重要な条件である。ウエルス・ファーゴ銀行は「昔も早かった。今も早い」。
「ユニーク・ポジショニング」ジャック・トラウト スチーブ・リブキン著

★コメント
 伝統とは持続であり、生命である。人間としてのアイデンティティーを表現している。本能的価値として魅力的である。ただし伝統に革新がないとそれは死を意味する。

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■『生物の生存戦略にはどのようなものがあるの?』
★気づき
 生き残り戦略は、リスク最小戦略と利益最大戦略に分けることができます。
リスク最小戦略とは、リスクが最小になるものを選ぶ戦略のことです。通常は、消極的、保守的な戦略になり、安定した状況であればこの戦略が選ばれることが多いのですが、生存の危機に対する場合は、リスクが最小であっても生存が難しくなるため、利益最大戦略に変わるしかなくなります。
利益最大戦略とは、利益が最大になるものを選ぶ戦略でリスク最小戦略と正反対です。利益最大戦略で、通常の戦略がニッチ戦略です。

★コメント
 成長の時代は利益最大化戦略、成熟の時代はリスク最小化戦略が一般的戦略ですが、今の時代は、リスク最小化戦略 AND 利益最大化戦略が必要な時代です。また、利益最大戦略がニッチ戦略で、積極的戦略です。すべての企業はニッチ市場の成功者であり、ニッチ市場がビッグ市場になるのがビック・ニッチです。これからはニッチ市場を発見し、グローバル・ニッチ、ビッグ・ニッチを開発していく事が大事になります。

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■『ブランド戦略の基本』
★気づき
1. 伝統を生かしつつ商品を革新する
2. 「マーク」に頼らない
3. 商品数を絞る
4. 顧客イメージを伝える
5. 顧客とのパイプを強化
6. つくることにこだわる
7. 価格競争力を高める

★コメント
 ブランドのベースになるのはイノベーションです。そして、その世界観を徹底して追求することです。ブランドはテクニカルの問題ではなく、商品開発の哲学、思想、想いです。

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■『買替えの促進』
★気づき
現在使用中の商品を、目的とする商品に買替えさせる。
・より上のものに進ませる(上級移行)
・買替え期間(サイクル)を短縮化させる
・仕組みとしての「買替えのパターン」そのものをマーケティングで形成する
・現行商品を陳腐化させる
・買替え対象商品を強力に魅力化する

★コメント
 買い替え企画の目的を明確化する。成功した商品の買い替えを促進し、より進化、深耕化させることもロングブランド作りに大切です。

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■『進化的に安定な戦略ってなに?』
★気づき
 どのような生存戦略が生き残りやすいか、もっとも生き残りやすい戦略は安定するということです。それにより、敵対よりも友好のほうが生き残りやすくなるというものです。
短期的に最も有効なのは、敵対的なタカ派戦略の個体に対してはタカ派戦略を、友好的なハト派戦略の個体にはハト派戦略を選択することになります。相手が友好的なら協力するが、敵対的ならやられたらやり返す、やられた以上にはやり返さない、という戦略です。その結果、長い期間を過ぎればタカ派はハト派に比べて生き残りにくくなります。餌をとるときに協力した方が、奪い合うよりも取り分が多くなるので、その環境でもっとも合理的な友好の度合いが決定されることになります。

★コメント
 タカ派戦略を長期的にみると大きな利益が得られない。共存するハト派戦略が長期的に有利になる。日本の外交もハト派戦略の方が有益ではないか。
ハト派戦略のマーケティングとは何なのか、考えてみたい。

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『黒衣の刺客』監督;ホウ・シャオシェン キャスト;スー・チー、チャン・チェン、妻夫木聰
ホウ・シャオシェン監督の時代劇です。映像の美しさに魅了されるが、ストーリーはシンプルだが複雑。ホウ・シャオシェンが好きな人にはオススメ。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』監督;セオドア・メルフィ キャスト;ビル・マーレイ、メリッサ・マッカーシー、ジェイデン・リーベラー
ダメ親父が尖っているようで、丸くなってしまったことが物足りない。もっと、終わりまで尖っていてほしかったな。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第386号(2015/10/6) (c) 1999Japan Orientation
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