1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第347号

配信日:2013年11月5日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第347号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『イノベーションの本質』
      『不具合と共存する』
      『コーセラ』
      『ベトナムの人材採用』
      『デザイン思考』

<伝言>
第125回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
変化への気付く力を高める。11月28日スタート
商品開発プロになるための実践練習場です。
好奇心を刺激するセミナーにしたいと思っています。
◆ベトナムでのマーケティング活動を開始します。
ベトナム日本留学経験者とネットワークでマーケティングを開始しています。まずは日本企業のベトナム、メコン圏進出のサポート。マーケティング視点でサポートします。いろいろな企業から問い合わせ、ミーティングをしています。お気軽にお問い合わせください。

2013年11月5日(火)
 ベトナムとの交流の「場」をつくりたいと考えています。
ベトナムの日本留学経験者との接点が拡がってきました。先日は、知り合いの日本留学経験者が、日本で会社を設立しました。ベトナム人留学生のトータルサポートをする会社です。応援していきたいと思っています。日本の企業人と日本留学経験者で、日本で起業している人、日本で働いている人、日本で学生生活をしている人と、これからのアジア、日本、ベトナムのあり方を共に考える「場」をつくりたいと思っています。

■『イノベーションの本質』
★気づき
 将棋の羽生善治「一番保守的な指し手や作戦は、10年先のことを考えると一番悪い選択のはず。でも10年先のベストの選択は、今の眼で見ると、一番リスクが高いかもしれない。」「若い時は知らずしてリスクをとっている。これが勢いというもので、大きな流れを生むことがある。年を取ると経験を積み、知恵はつく半面、新手を指さなくなってしまう。年を取ったら意識して新しい手を指すようにしなければいけない。」
大企業とベンチャー企業もこのような関係になっているのでは。イノベーションエコシステム(イノベーションを継続的に生み出す生態系)のためには大手企業とベンチャー企業との緊張関係が重要。
各務茂夫 東大教授
日経産業新聞 2013.7.30

★コメント
 成熟社会のイノベーション共創のプロセスを考えることが必要。その解として、多様性の重視がある。大手企業とベンチャーとの共創プロジェクト、都市と地方との共創プロジェクト、大人と子供との共創プロジェクト、ハンディキャップを持っている人との共創プロジェクト、もちろん、女性と男性との共創プロジェクト。「年を取ったら意識して新しい手を指すようにしなければいけない」は深く感じる。
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■『不具合と共存する』
★気づき
 バグには、まれな条件の組み合わせ、時には想定外の状況でのみ発生する「ハイゼンバグ」、その発生源を特定しようとしてもできない。再現性があり特定が容易な「ボーアバグ」がある。インターネット企業の開発手法として「バグと共存」する方向に進んでいる。バグがあってもサービスが継続できればよいという考え。障害が出れば手直しをして更新をこまめに行う逐次開発。進んで内部にシステム障害を意図的に発生させ、それでもサービスが継続できるかをチェック。
NTTドコモ執行役員 栄藤稔 日経産業新聞 2013.7.18

★コメント
 いまの社会には「ハイゼンバグ」が多数存在する。実験・検証・実験のスパイラルな行動をスピーディーに展開していかなければいけない。バグを前提にした社会にどう対応するか、興味ある課題です。
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■『コーセラ』
★気づき
 コーセラは今年4月に創設1年を迎えたばかり。しかしすでに米国内外の有名62大学がアート、歴史、ビジネス、健康・医療、環境、音楽、科学、コンピューターなど幅広い分野の講座を公開し、世界中に380万人を超える受講生がいる(2013年現在)。今秋には東京大学からも藤原帰一氏による「戦争と平和の条件」と、村山斉氏による「ビッグバンからダークエネルギーまで」の2講座も英語で公開される予定。さらにスペイン、メキシコ、フランス、スイス、台湾、香港、ローマの大学も参加し、それぞれの母国語で講座を公開、インターナショナルな展開を見せている。

★コメント
 新しい教育のスタイルが生まれた。どこでも、だれでもが教育を受けられることは素晴らしいことです。71歳の私もチャレンジしてみたい。日本語での東洋の古典の教育プログラムがあればぜひ受けたいです。
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■『ベトナムの人材採用』
★気づき
 2000年約4000万人の労働人口が3割増しの5000万人に増えた。ブルーカラーは多いが生産拠点の管理や営業を統括できるホワイトカラーは限られている。ベトナムの中間管理層の月給は平均700ドル。欧米企業は「アップ・オア・アウト(昇進するか、やめるか)」なので給与が高いと思われがち。一昔前の日本企業の家族的な経営スタイルがベトナムで評価。社員運動会、従業員の家庭で一緒に食事をする。

★コメント
 ベトナムの日系製造会社の社長に、ぜひ働いている人の両親を呼んで、一日子供の仕事見学会をやり、歓迎のセレモニーをしたらと提案したことがあります。ベトナムの人は家族との絆が強く、親の意見を聞く傾向があります。子どもの働いている企業の魅力を親に伝えることは大事な対策だと思います。一番だいじなことは、ベトナムの国を支え、発展させていく人材づくりに日本がどう貢献できるかということです。
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■『デザイン思考』
★気づき
 最も重要とされるスキルとして「共感(Empathize)」 通常問題解決のプロセスは解決方法自体に注力する。これに対して、その問題自身が「本当に取り組むべきことなのか」という物事の根本を再定義するプロセス。小児用核磁気共鳴画像装置の開発で、性能向上より子供たちを恐怖に陥れていた現実があった。病院に通う子供たちは健康な子供同様、キャンプに参加し、スポーツをしてみたいという願望があった。入院して検査を受けるプロセス自体をあたかも“冒険”に出るかのような経験に変えた。自分の所轄範囲を越えて、ユーザーの声を聞く。従来のマーケティング部隊のデータ、専門家の常識を忘れて、問題の原点を発見してみる。
伊佐山元 元DCM日本代表
日経新聞2013.7.16

★コメント
 課題の上位概念を把握し、根本的課題を解決することが大事になってきています。昔、「ワーク・デザイン」という方法を学んだことがあります。個々の課題を全体のシステムの課題と連動して解決していく方法です。これからのデザイン開発にも有効では。
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◆土日朝一番の映画
★「トランス 原題Trance」
監督;ダニー・ボイル キャスト;バンサン・カッセル、ロザリオ・ドーソン、ジェームズ・マカボイ
潜在意識とリアルな社会、過去と現在が交錯してちょっと複雑なストーリーになっている。ちょっとしたどんでん返しもあって、楽しめる。
★「ランナウェイ 逃亡者 原作The Company You Keep」
監督;ロバート・レッドフォード キャスト;ロバート・レッドフォード
ロバート・レッドフォードを観に行きました。ベトナム戦争時の過激派グループのその後。逃亡するもの、市民の中にいる人、今でも正義を信じている人、偽りからの決別の物語。同世代を生きたものとして感じるものがある。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第347号(2013/11/5) (c) 1999Japan Orientation
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