1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第328号

配信日:2013年1月22日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第328号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『消化は何のために行われるのか』
      『長寿化と成長可能性』
      『演出家に磨かれて輝く』
      『無限の消滅』
      『「トヨタ・レクサス惨敗」』

◇伝言
第121回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2013年2月7日(木)スタート
現在、食品、化粧品、医薬品、筆記具、音響メーカー23人の申し込み
<顧客創造型新商品開発>をめざす"これから"の新・商品開発セミナー
商品開発を実践的に、深く学ぶ『場』です。
時代・市場・生活価値観の変化を引き抜き(マーケティング・センスアップ)、魅力的コンセプト開発(思考体力)を身につける6日間36時間のセミナーです。

2013年1月22日(火)
1週間遅れのミネラルです。先週、ベトナムハノイに1週間、探検に行ってきました。探検目的は、アジアのビジネスマンの交流の「場」がつくれないか、日本の若い人にアジアのビジネス経験をする「場」が出来ないか、アジアの若い人達が日本で学ぶ「場」をつくりたい。まだ感覚的ですが、面白い展開が出来るのでは、の実感でした。これからも3つの「場」づくりの探検をし、実行に移していければと考えています。

■『消化は何のために行われるのか』
★気づき
 消化は何のために行われるのか。情報を解体するため消化が行われる。例えばタンパク質。タンパク質はアミノ酸の連結による高分子で、アミノ酸は個々のアルファベット、たんぱく質はそれによって書かれた文章に当たる。そして、すべての生物は、固有の文法と文体によって構成文章からなる一大物語。食物とは、それが動物のモノであれ、植物のモノであれ、もともと生物体の一部であったものだ。持ち主固有の情報が満載されている。この情報がいきなり私の身体の内部にやってくると、私の身体固有の情報系と衝突、干渉、混乱が生じる。これを回避するため、消化酵素は、物語と文章を解体し、意味を持たない音素のレベルに還元する。そのアルファベットを吸収して、私たちは自分固有の物語を再構築す る。実にこれが生きているということ。
福岡伸一氏 分子生物学者

★コメント
 消化のアナロジーでクリエーションを考えてみたい。いろいろなモノ、情報を消化、未消化を含めて、自分の中に取り込むことがクリエーションを生むのでは。自分固有のモノ語りの中で再構築をしていく。
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■『長寿化と成長可能性』
★気づき
 世代ごとの金融資産などの蓄積がどう変わり、それが世代間の間でどう移転されるかが重要。家族関係を介したお金のやり取りなど私的な移転を考え併せることがだいじ。これからは長寿高齢化が進む局面。団塊世代の資本蓄積が高まる。必要なのは資本蓄積を成長に生かすこと。中国、インド、ベトナムなどへの投資へ。
小川直宏氏 日本大学人口研究所長

★コメント
 金融資産の移転は、将来の生活の不安を除くことをしないと進まない。また、高齢者の意識はお金で持っていることが安心。これらの不安を除かないと難しいのでは。
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■『演出家に磨かれて輝く』
★気づき
 「目を寄らせることも、肉体のゆがみとして演出家に提示したつもりです。それから、澄んだ声でセリフを喋る一方で身体をゆがめる、セリフと肉体を分離させる。最初は一体だけれども、分離させる快感もあるんだという発見もありました。」「考えてみれば、日本の芸能的なものが身体の中から出てくる白石という女優を、鈴木忠志という演出家が自分の枠組みの中にはめ込んで、非常におもしろく使ってくれたということなんでしょうね。」
白石加代子さん

★コメント
 私の好きな女優、白石加代子さんのコメント。私の好きなフッションデザイナー川久保玲さんの言っていることに共通点を感じる。創造性とは、まず崩すことからなのだ。演出家と俳優との関係は、企業のリーダー論にとってもヒントになるのでは。
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■『無限の消滅』
★気づき
 進歩主義は空間の無限性が前提とされてきた(地球にはまだ外部があった)。人類にとっては地球の外部などないこと、手持ちのカードが地球だけであることを認識させるに至った。→ユートピアの消滅

★コメント
 謙虚、もったいない、は日本の美徳。日本の美徳を磨いて世界に発信していくことが日本にとってのグローバル化ではないか。
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■『「トヨタ・レクサス惨敗」』
★気づき
 レクサスの本質は、高品質でプレミアムな車にあるのでも、付加価値を高める顧客サービスの高度化にあるのでもない。車がおかれている環境・空間・文化を作り替えることにある。アメリカで成功したのは、サービス経済に決別してホスピタリティ経済を実行するためのディーラー・システムを全く変えてしまったことである。消費の時代が終わって生活者としてのライフスタイルの時代へ。差別化に対して自分固有なものを作り出す。プリウスの成功は社会づくり、レクサスにはそれがない。レクサスがアメリカで成功した背景としては、社会がプライベートを優先する社会であるから。プレミアム市場とグローバルシティ戦略。分配優位システム。レクサスもインフィニティもキャデラックも売るダラスのスエル 社。場所カとカスタマイズ。商品とは、情報とは、経済とは、マネージメントとは、市場とは、顧客とは、サービスとは、売るとは、をとことん突き詰める。
情報生成=自分にとって必要な情報を作り出す=意味の生成。社会学者リッツァーは「無=nothing」のグローバル化。場所は「非−場所」になり、サービスは「非−サービス」になり、人は「非−人」になっていく。サービスとホスピタリティ、サービスは一対多数、ホスピタリティは一対一、サービスはコンテンツ、ホスピタリティはコンテクスト、その場の状況、文脈が大切、マニュアル通りにはいかない。プライベートの意味、プライベートバンクは個人個人の要求に対して対応できる知恵を持っているバンク、ソーシャル対応ではなく、あくまでもプライベートな対応。コンサルティングはプライベートでなくてはいけない。顧客第一主義とはプライベートなことへの対応である。
ホスピタリティ経済の時代 米国レクサスの成功は「商品中心主義」「生産中心主義」「社会イズム」からの脱却であり、トヨタウエイに変わるべき資本・ホスピタリティによるプライベートづくりの経済。「マイバッハ」は最初から顧客巣を9000名に限界想定して新たな資本、ホスピタリティによるプライベートづくりを意識している。文化経済や環境経済の存在などを生産過程にインプットして生活者と商品の関係を考える。資本とは、資金や資産のことではなく社会の公器である企業が人々のためにどう役立っているのか、そのビジョン哲学のことである。

★コメント
 面白い発信をしてくれて、興味を持っている信州大学教授の山本哲士さんの著作です。モノ価値からモノ価値を超えてホスピタリティ価値の重要性を指摘している。ちょっと硬い?本ですが一読を。
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◆土日朝一番の映画
「髑髏城の7人」
179分の新しいエンターティメント。劇団☆新感線のゲキ×シネ。芝居の臨場感と映画のスペクタル性の融合、芝居の迫力が映画で増幅され、ストーリーの面白さと迫力あるアクションが今までの映画を超えた。森山未來、小栗旬、早乙女太一といった若手演技派俳優たちが生き生き芝居をしていた。小池榮子も迫力あり。絶対お薦めです。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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