1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第311号

配信日:2012年5月8日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第311号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『消費される「ベタ」な物語』
      『"宗教代わり"の危うさ―スピリチュアルの時代』
      『商品に人格をつける』
      『ネーミングが最も効果』
      『生命とは何か』

◇伝言
第117回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
6月28日スタート。
サクセスセオリー&イノベーション。商品開発の全てが学べる6日間36時間のセミナーです。
「第13回商品開発車座塾」6月8日9日会津合宿
テーマは“変化をチャンスに、イノベーション思考と行動”です。
◆『学び合いの「場」』
「遊びとマーケティング」5月15日(火)19時より
バンダイ 山崎さんの参加を得て、遊びとは、マーケティングと遊びを考えてみる予定です。遊びは、人間の生活のベースです。遊びの魅力、遊びとマーケティングを考えてみたいと思っています。
場所:日本オリエンテーション事務所 参加費:1000円

2012年5月8日(火)
連休で1週間遅れのミネラルです。
今朝の私のフェイスブック近況発信です。皆さんフェイスブックを始めませんか。友達歓迎です。松本勝英で友達リクエストをしてください。
イノベーション関連の本をこの連休で何冊かまとめて読んだ。イノベーションと言いながらハウツー的な内容が多く、これではイノベーションなんかできない。「商品開発イノベーショントレーニング」を考えてみたい。既存視点を捨てる方法、新視点発想、変化を引き抜く、などを入れて考えてみたいと思っています。トフラーの「富の未来」、ヨーナス・リッデルストラレ、シェル・ノードストレム著の「ファンキービジネス」がおもしろくて役に立つのでは。 フランスの大統領選挙、ギリシャの国会議員選挙結果を見ていると、成熟国家、成熟社会のジレンマが見える。近視眼的視点が今後大きな課題、モンスターを生み出すのでは?成熟時代の新しいライフスタイルの構築が求められている。日本の文化、価値観が役立つのでは?
「な」という文字を入力したら、中島みゆきが出てきた。12日から2週間、中島みゆきライブ映像の劇場版が上映される。ファンとしてはぜひ見にいかなければ。
会社到着、今日の仕事開始。今日発信のマツモト・ミネラルを11時までに作らなければ。

■『消費される「ベタ」な物語』
★気づき
 批評家の切通理作さんは、「三丁目の夕日」を「時間旅行の映画」という。観客は映画に出てくる「断片」=モノを手掛かりに時間をさかのぼる。「たわいのない、誰もが安価に買えたようなモノを共通の手がかりにして、それぞれが自分の体験をたぐる。あくまで小文字の「私」=「i」を共有している感覚」。共通のモノをきっかけに様々な物語をたどり、ゆるやかな「つながり」を作っていく。"ご当地キティちゃん"の根強い人気も象徴的だ。デザインジャーナリストの藤崎圭一郎さんは「ご当地キティは、コミュニケーションやつながりを作り出す「共鳴装置」「コミュニティ発生装置」なんです」という。また切通さんは、共通の価値観が持ちにくくなった時代状況にも注目した。「個人がバラバラに細分化された状態の揺り戻しで、共有できるコミュニケーションの土台になり得るものが必要となった」と指摘する。
京都大の大澤真幸教授(社会学)は、ベタな物語に「物語の欠落」への反動をみた。「われわれの現実では、何が幸福か、何が善か、わからなくなってしまっている。社会が何を理想とするのかを示す物語が不在だから、あえて思いっきり単純でベタな物語にコミットすることで、その不在を乗り越えようとするのではないか。その関わり方自体には一種のアイロニーがある。」
朝日新聞2008.1.53

★コメント
 私という小さな物語を、共通なモノを手掛かりにして編んでいる。モノは、見えなくなった私の再発見ツールになっている。橋下維新の会の流れも「ベタ」な物語では。ヨーロッパも含めて、世界全体がポピュリズム的「ベタ」な物語に乗りやすくなっている時代。
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■『"宗教代わり"の危うさ―スピリチュアルの時代』
★気づき
 「70年代以降、環境問題が起こる一方、豊かになったはずの人々の間に空虚感が広がるなど、科学文明・物質文明の負の側面が目立ってきた。しかし宗教にはもはや戻れない。そこで、個々がスピリチュアリティといった精神的な価値を求める動きが出てきた。それは、多くの人がナショナリズムによりどころを求めようとしている世界の動きとも表裏一体なのだ」。スピリチュアリティ・ブームの行方。それはおそらく、われわれが未来にどんな精神文化を築いていけるのか、といった問題と密接に関わっているように思われるのである。
東京大学教授 島薗 進氏
読売新聞2006.11.28

★コメント
発散、バラバラ感の中での求心力探しでは。モノ・コトからココロ・コトへの変化では。宗教ではない、ココロ・コトの開発とは?
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■『商品に人格をつける』
★気づき
 花王では、ブランドマネジメントとは、ブランド育成のPDCAをスピーディーに効率的に実施することと考えております。そのためにはブランドの存在意義、目指すべき姿を関係者全員が共有することが必要と考えており、ブランド設計書を導入しました。その中でブランドの「個性」を明確にしています。ブランドに対し擬人法を用いて、人間のような人格を与えることです。
例)メリットシャンプーは「母親・妻としての家族への愛情」としています。

★コメント
 スペシャリティーとは人格化では?という発信に対して、花王の社員の方からの返信です。人格化とは、憧れであったり、身近であったりで距離感が近くなるし、親しみも持てる。
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■『ネーミングが最も効果』
★気づき
 消費者が企業・商品に対して良いイメージをもつ場合、「ネーミング」が最も効果がある。ネーミング52%でトップ、2位は「キャッチコピースローガン」46%、3位は「パッケージ(形状、色、素材など)」32%。シルバー層に商品を売り込む際にはネーミングがより重要。ネーミングに対して、「好ましいイメージを思い浮かばせる」50%、「親しみやすい」45%、「製品の特徴を思い浮かばせる」44%、「シンプルで発音しやすい」42%。60代では「親しみやすい」が64%で飛び抜けて多い。
日経新聞2010.2.25

★コメント
 消費者と商品の接点。イメージと商品特徴を一体にする。ワンキャッチフレーズをワンワード化することがネーミングのポイント。
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■『生命とは何か』
★気づき
 人類が地球に登場したときに人工物などなかった。でも生き物はすべていた。「生き物とともにあるのが人間であり、生き物と日常的につきあうことで、命や生きることを理解できる。」
「DNAとつきあってきて半世紀ですが、知れば知るほどわからないことが増えている。はっきりわかったのは、自然は非常に複雑だということ。コンピューターが難しいといっても人間が作った以上、人知の中にある。ところが自然は人知を超えている。」
「人間にとって一番つらいのは飢え。そして動物に襲われること、病原体にむしばまれること。この3つから逃れるために、人類は知恵を絞り生き延びてきた。日本は今、飢えや病気でばたばたと死ぬことがない成熟した社会になった。」
「人間が持つ最も大事な特質は想像力。命をみつめてきた研究者として、多くの人と共有したいのは、生き物は皆つながっているということ。マネーゲームに興じるより地球の上で今、おなかをすかせている子がいることを自然に考えられる感性が欲しい。」私たちは本当は何が欲しいのでしょう。
JT生命誌研究館館長 中村桂子氏
日経新聞2008.1.10

★コメント
 生命とは何か、自然から何を学ぶか、他を感じ取る感性。今求められているのは、その根本のところでは。成熟した人間はこれから何を求めて、何を求めないで生きていくのか、重い。
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◆『学び合いの「場」』5月6月の予定
◇「イノベーション力を獲得する」6月1日(金)
「イノベーションのDNA」クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー、ハル・グレガーゼン著、で言われている、行動スキルを磨くには、をテーマにして話し合いたいと考えています。
◇「感動開発」6月19日(火)
人と・暮らしと・モノとの関係に感動をどう作るか。これからの魅力商品にとって大事な課題です。皆さんの今までの感動体験を持って参加してください。
◇「ウイスキーの楽しみから、官能を考える」仮称 6月下旬調整中

時間:19時〜21時(終了予定、延長あり)
会場:日本オリエンテーション事務所
参加費用:1,000円(サンドイッチ、飲料付き)
申し込みは office@jorien.com

◆土日朝一番の映画
◇「捜査官X」監督;ピーター・チャン キャスト;ドニー・イェン、金城武
中国のアクション映画はいつもすごい。ミステリーなストーリー、静の映像、ダイナミックアクションすべて超一流。絶対のオススメ。見なければ大損ですよ。

◇「別離」監督;アスガー・ファハルディ キャスト;ペイマン・モアディ、レイラ・ハタミ
イランテヘランの、アルツハイマーの父親のいる4人家族。イランの中流家族の将来への不安、不安定な夫婦の関係、アルツハイマーの老人と介護に派遣されてくる貧しい女性、尊厳、宗教問題が絡まり、複雑なイラン模様の中に人間関係心理が深く描かれ、魅力ある映画でした。オススメ。

◇「KOTOKO」監督;塚本晋也 キャスト;Cocco
塚本晋也監督とシンガーソングライターCoccoが組んだ、母性と、生きる戦い。シングルマザーの葛藤内面をカメラワーク、音響で表現しているのだと思うが、平凡な私にとっては神経に響く。他人が二つに見えることが内的葛藤を表現しているのか?

◇「裏切りのサーカス」
二重スパイ探しのサスペンス。ストーリーが複雑で、なかなかついていけない。ちょっと居眠りをしてしまったことも影響。面白さは匂ってくるのでもう一度見てみたい。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第311号(2012/5/8) (c) 1999Japan Orientation
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