1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第307号

配信日:2012年3月7日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第307号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『創作された曖昧な「見える」病』
      『智慧は生命への気づき』
      『身体との調和性』
      『オタクが鍛え上げた企業が上場』
      『南極でも売れる氷は何か』

◇伝言
第116回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
4月12日スタート。今まで29年3000人以上の参加。
トータル・マーケティングの視点から、商品開発を実践的に深く学ぶ『場』です。利益を生み出す新商品、ニーズ開発、商品コンセプト開発、テスト手法、ネーミング・パッケージング、導入プランづくり、導入後のフォロー。商品開発の全てが学べる6日間36時間のセミナーです。

2012年3月7日(水)
3月10日(土)11日(日)、東北の被災地に行ってきます。昨年の3月5日は塩釜に、2月26日にはいわき〜相馬にいました。まだその時の元気な東北が残っています。3月11日以降、これで4回目の東北です。今回は仙台、相馬、海岸縁を行けるところまで行ってみようと考えています。被災地の現在を実感し、明日の応援の原動力にしていきます。

『学び合いの「場」』が元気です。お互いが触発し、スパークしています。2月23日の「ヤミツキの力」も18人参加で、楽しく盛り上がりました。
当日のまつもとのメモです。
1.深い脳の記憶;脳の古層に働きかけているのでは。乳児食、ふわふわの触感、噛み心地、香りのプルースト効果なども。
2.際と揺らぎ;痛みと快(痛快) 善と悪、解放と抑制、安楽と恐怖、懐かしさと新しさなど、際とその間の揺らぎがヤミツキになるのでは。
3.不完全;バランスが崩れている 過剰品質、過少品質がヤミツキを創る。
4.脳が記憶しやすい;雑味 脳は楽をしたがる→楽をさせない。脳は記憶しようとする、そのことがヤミツキにつながるのでは。
5.ヤミツキは、複合感覚ではないか。
6.達成感;ゲームの世界の典型では。不安を持っている人は達成感がヤミツキになる。
参加者からもいろいろコメントが届きました。3月8日、19日、4月6日、23日にも開催。お出でください。詳細は下記に記載。

■『創作された曖昧な「見える」病』
★気づき
 メタボリックシンドロームがこれほど語られるのには、我が国の医療文化における「ヘルシズム(健康至上主義)」と、この疾病概念の持つ巧妙さが関連している。ヘルシズムにおいては、健康それ自体が価値であり、「健康のためなら、命すら惜しまない」健康追求と、「病気・障害」への忌避・排除が目指される。
メタボの「巧妙さ」の一つに、「擬似的可能性」が挙げられる。目に見えないリスクである内臓脂肪蓄積を腹囲に還元する。つまり、疾病概念の中にリスクの「擬似的可能性」が入れ込まれているのである。人々は、「腹囲85センチ/90センチ以上は<病気>なのだ」と理解してしまうことが起きうる。つまり、「見えない病気」を、太ったお腹に「見える病気」として見出すことになるであろう。ここに、ヘルシズムに影響を受けた人々が、メタボであることを自分で診断し、自分で健康追求行為を通して治療していくという行為が出現してくる。この行為の中にも「病気・障害」を回避・排除する行為は含有されており、それは、排除の対象に自らをも含むことになったといえる。
高知大学教授 佐藤純一氏
朝日新聞2006.11.22

★コメント
 メタボは、ヘルシズム(健康至上主義)によって生まれた。厚労省の先導によって。気になる点は、「病気・障害」への忌避・排除。人体指標は一つの指標にすぎない。気をつけて対応したい。
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■『智慧は生命への気づき』
★気づき
 智慧は生命への気づき−科学超えた仏教の内なるリアリティー
抹香臭いと思われがちな仏教は、実は近代主義と折り合いが良い。「空即是色」を語る時には現代物理学を用いる。しかし、仏教は物理を越える部分も持っている。外側から言葉の理知で眺めるのではなく、自らが状況の内側にいてリアリティーを感じる体験的な知を「般若」として語る。仏教は「覚醒しながら考えていない」という「智慧」を標榜する珍しい宗教であり、ロジカルでない脳の使い方によって、直観力が鋭くなる。
出所不明

★コメント
 仏教の面白さが匂ってくる。勉強してみる価値大。全てを受け止める、シンプルにとらえる。
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■『身体との調和性』
★気づき
 身体との調和性を考えたカメラ、いまライカが人気なのは「身体への郷愁」「身体への親和性」。生活の中にある道具類の身体性をどのように回復していくのか。道具の身体的コンテキスト度はこれからの重要な技術的課題である。

★コメント
 身体感の回復が、バーチャルな世界が進んでいけばいくほど大切になってくる。身体親和性の開発は愛着開発にとっては重要なテーマです。
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■『オタクが鍛え上げた企業が上場』
★気づき
 オタクが鍛え上げた企業が上場、32の専門誌を出版する「ネコ・パブリッシング」(東京目黒) 自動車、鉄道関係に強い。ガレージづくりに関する情報だけの「ガレージライフ」 年4回、1冊2千円、毎号2万部。その他「国鉄時代」 社長の笹本健次「本当に好きなモノへの資質は簡単に減らせない。1億総オタク化が個人消費を底堅くしている。」オタク特有の収集癖や自己顕示欲をもつ消費者は漫画、アニメ、鉄道など12分野で172万人。収集癖、自己顕示分野の開発。

★コメント
 趣縁がマーケットを作り、拡げている。深さの追求が成功のポイントでは。
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■『南極でも売れる氷は何か』
★気づき
 「90年代以降、資金不足セクターだった企業は資金余剰セクターへと転換し、不足セクターは政府と海外になった。その状況の中で銀行が企業に融資を頼むのは極論すれば「南極で氷を売る」ようなのものである。しかし、一方で企業は企業価値を高めるべく一定の資金調達も検討している。銀行は貸出金利低迷のリスクに見合った貸し出しスプレッドを取るという安易な策ではなく、企業の求める資本性の高い資本を併せ持つハイブリッド型商品など、真の需要者ニーズを満たすファイナンス商品を生み出さなければならない。
日経新聞2006.10.4

★コメント
 南極でも売れる氷は何かを考える時代。満腹の王様にごちそうを提案する時代。クライアントが想像もしていなかった提案をしていく時代。
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◆『学び合いの「場」』3月4月の予定
◇「触覚の魅力開発」3月8日(木) 手触り、舌触り、肌触りの魅力を深める。残席あり。
◇「家族のこれからとマーケティング」3月19日(月) CMの中に家族、犬やウサギが出現。気になります。残席あります。
◇「IT環境の変化とマーケティング・商品開発」4月6日(金)
◇「幸せを創るマーケティングを深める」4月23日(月)
時間:19時〜21時(終了予定、延長あり)
会場:日本オリエンテーション事務所
参加費用:1,000円(サンドイッチ、ビール付き)
申し込みは office@jorien.com
※『学び合いの「場」』に載せてみたいテーマをお寄せください。

◆土日朝一番の映画
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」監督スティーヴン・ダルドリーキャスト トーマス・ホーン、サンドラ・ブロック、トム・ハンクス
9.11に、対等に接してくれた父親を失った、多感で繊細、怖がりの、素晴らしい少年の物語。大勢が、大切な人、こと、ものを失い、今も失い続けている。再生のための探検。いろいろな人との出会いを通して回復していく。母親の眼差しも大切なんだ。東北大震災にも同じ苦しみが続いているのでは。3月10日11日、いわき、相馬、仙台など、心の応援に行ってきます。
「ピナ・バウシュ 踊り続ける命」監督ヴィム・ヴェンダース
すごい映画を見た。すべてが感動でした。ダンスに革命をもたらしたピナ・バウシュへの、仲間からの賛歌と感謝。ダンスは言葉を超える想像の世界でした。ヴィム・ヴェンダースの3Dの映像も迫力とセンスが光る。3Dでなければ映画化出来なかったと監督が言っていたことが、よくわかった。「ヴエナビスタ・ソーシャルクラブ」「パリテキサス」「ベルリン天使の詩」「ハメット」も良かったが、この映画が最高。終了後拍手をしたら、何人もの人から拍手が起きた。久しぶりでした。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第307号(2012/3/7) (c) 1999Japan Orientation
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