1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第300号

配信日:2011年12月6日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第300号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『リスクとり需要呼ぶユニクロ』
      『2010成長はどこに2』
      『わかっちゃいけない』
      『社会の亀裂−共生の道も』
      『健康商品成功のポイント』

◇伝言
第115回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2012年2月9日(木)スタートです。
今までに28年3000人以上の参加実績。商品開発の実践を体系的に深く学べます。

12月6日(火)
今年もあと1ヶ月弱、押し詰まってきました。2012年も激動化の時代が感じられます。平静と楽観を大事にしていきたいと考えています。
2012年、日本オリエンテーションは何をするかを考えています。「オープンアゴラ=開いた場」にしていきたい。企業の人たちが気軽に来てこれからを考えるディスカッションの「場」にしていきたい。いつでも課題がある時に来て解決の方向性を探る「場」にもしたいと考えています。今までに「魅力研究所」「梃の会」「マーケティングだべる会」をやってきましたが、語り合う場を活性化していきたいです。ネットを通じて語り合う場も作れればとも考えています。

■『リスクとり需要呼ぶユニクロ』
★気づき
 ユニクロがリスクを取れるのは、「同じことをやり続けるから。スポーツと一緒で何回も繰り返せば上達する。プロフィットとリスクはイコールだ。日本人の最大な欠点は安心、安全、安定志向。当然プロフィットは生まれない。」「われわれの『いい服』はカジュアルでもドレスアップでも着られて、ブランド品とも古くから持っている服とも合い、着回しがきく。他の服と組み合わせた時にうれしいなと思える、値段以上の付加価値を提供していく。」 「グローバル化した市場では『日本だけの市場』などない。日本での一人勝ちは危うい。」「新しい需要を作り出すこと。フリースもカシミヤのセーターも需要が最初からあったわけではない。洗ったら10分ですぐに乾く服、水洗いで全部きれいに洗える服。『あったらいいな』を作り出すこと、それが大事。」
ファーストリテイリング会長兼社長 柳井正氏
朝日新聞2009.1.3

★コメント
 ユニクロのサクセス・キー・ファクターです。トップから従業員まで理念が共有化されている企業は強い。編集できる衣服、新視点による需要創造については共感。
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■『2010成長はどこに2』
★気づき
・2人乗り電気ミニカーにかける 羽田隆志氏。電気自動車が普及する道は半径10キロ以内の用途のミニカー 4輪と2輪の間を埋める。車台は数人の専門家が開発し、NPO会員に公開する。会員企業はボディを自由に載せ、販売する。注文による奇抜なデザインでもいいし、規格品をたくさん作ってもいい。公正な競争が生まれ、努力したものが報われる。障害は原付自転車として認められない。3輪車なら原付2種が認められるので、3輪車開発で浜松市に国へ特区申請をしてもらう。

・慶応大学専任講師 神成敦司(しんじょうあつし)氏。地場産業を情報技術をもって成長させることに取り組んでいる。精密金型メーカーでは、50代以上の熟練工と20代のITエンジニアとが連携している。熟練工の経験と『技』を生かす情報システムの開発。ITを用いて可視化する。独自の付加価値が見込まれる画期的なものが出来る。熟練農家は10アール当たりのカロリーベースの生産性ではアメリカの約9倍。熟練農家のノウハウをITモデル化する。1人前にするのに10年かかっていたのを5年で育てる人材育成にも効果的。ITを用いて『価値の可視化』をはかる。通常価格のイチゴの横で3割程度高いバーコード付きのイチゴが順調な売れ行き。熟練工や熟練農家は高齢化が進んでいる。そうした人々の技をどれだけ継承するか、この10年間が勝負。
朝日新聞2010.1.3

★コメント
 アイディアはアイディアを呼ぶ。日本独自のビジネスモデルを開発することがいまこそ重要です。ちなみに私も某企業で2シーターのミニカーの開発プロジェクトを指導したことがありましたが、その時はプロジェクト参加者の共有化が出来ず進みませんでした。残念。
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■『わかっちゃいけない』
★気づき
 今の人が男女関係で苦しんでいるのは愛情の欠如じゃなくて、相互の敬意の欠如ではないですか。旦那の愛情がなくなったって?なくなったのは敬意なんです。肝心なのは「人間関係を理解と共感の上につくってはいけない」ということ。例えば結婚して五年、まじまじと横顔を見たら、何を考えているか分からない男がいた。「こりゃエイリアンだ」って、ゾゾッとするわけ。それがおかしい。異物と暮らしているに決まっているんだから。人間は一皮むいたらエイリアン。その一皮のおかげで社会生活を営んでいられる。そんな何を考えているのか分からない不気味な生き物と暮らせてすごいと、共生できる能力に感動すべきなんです。ぴたりと理解して生活できるのが愛だと勘違いしているから、ちょっとでも異物だと感じると、我慢できなくなる。幻である 「100%の理解」が成立する関係を求めてしまう。
神戸女学院大学 内田樹 教授
朝日新聞2008.3.26

★コメント
 男女幻想を捨てる。異物とともにある、続いている、すごく大切なことでは。昨日のNHKのニュースで出産後の愛情関係についての報道がありましたが、男女幻想にもとづいたニュースだったのでは?
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■『社会の亀裂−共生の道も』
★気づき
 「今日の資本主義は、従来共同体と呼ばれてきたものを解体する方向に働いている。古い共同体が揺さぶられて人々に恐怖感が生まれ、自分の帰属を回復しようという運動が起こる。先進国、発展途上国を問わずナショナリズムが高まっているのは、このためだ。」共同体に"ひきこもる"風潮を単に否定的にとらえず、「古い共同体の解体が共生の道を開く可能性もある。」
フランス哲学者 ジャン=リュック・ナンシー氏
読売新聞2006.6.21

★コメント
 家族共同体、地域共同体が大震災後見直されてきています。顔と顔が触れ合う生身の共同体を再興しなければ。どうするか考えてみたいと思います。
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■『健康商品成功のポイント』
★気づき
・歯磨きに学ぶ
 頭(虫歯予防効果)でトライして舌でリピート、メントールの爽快感が重要。
・能動的健康、受動的健康
 健康にいいコトしている積極が能動的健康。良薬口に苦し。
・機能味覚の開発
 栄養ドリンクの味は機能味覚、これを飲むと効いた感じがする。
・化粧品のノウハウを健康食品へ
 化粧品はリピートを確保するために、感覚感性で嗜好化を図っている。
・日常化させるためのノウハウを日常生活場面に落とす
 生活の既存場面に落とす、既存場面からのスイッチを。新規場面だと継続しにくい。花王の「ヘルシア」
・健美爽の組み合わせ
 美・爽・健の順序かもしれない。
・ネガティブ解消からポジティブの拡大へ、がリピートに
 不健康を解消することが最終目標ではない。治ったらこんな楽しい健康ライフがあるの提案。ひざを治して社交ダンスを楽しみましょう提案。
・健康貯金の提案 持続が健康の基本
 短期訴求ではなく、いい健康生活を続ける提案。マックスファクターのSKUに学ぶ。
・必欲品から、健康新必需品へ
 ニチレイの「シェフズバランス」。おいしい健康国民食の提案。
・健康はソリューションへ
 食も単品型から、組み合わせ、システム化へ。

★コメント
 まつもと健康商品開発メモです。ちょっと常識的かも。
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◆土日朝一番の映画
「マネーボール」監督ベネット・ミラー 主演ブラッド・ピッド
前に本を読んでいたので、どのように映画化されるのか楽しみにしていました。面白かった。元メジャーリーガーとして有望だった選手が夢破れて、財政難のオークランドアスレチックを優勝に導くストーリー。他が見つけることのできないオポチュニティを発見する。勝利をゴールにした選手編成、イノベーションに対する既存勢力の抵抗、ベンチに26人は入れないプロの厳しさ。ジョナ・ヒルのピーター役がユニークでピッタリ。

「新・少林寺」監督ベニー・チャン 主演アンディ・ラウ、ニコラス・ツェー、ジャッキー・チェン。
「孫文の義士団」のアクションに惹かれて見に行きました。「孫文の義士団」は群のアクション、新・少林寺は個のアクション。「孫文の義士団」の勝ちですね。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第300号(2011/12/6) (c) 1999Japan Orientation
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