1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第297号

配信日:2011年10月19日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第297号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『雑務減らし社外へ出よう』
      『生産法・寿命まで見極め』
      『アニミズムの復権』
      『新春対談 吉田秀和×丸谷才一』
      『脳の特性から経済を解明』

◇伝言
第114回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
11月24日(木)スタートです。
<顧客創造型新商品開発>をめざす"これから"の新・商品開発セミナー
商品開発を実践的に、深く学ぶ『場』です。
参加者の事例発表、ミニ演習・ディスカッションを取り入れ、実践的に展開しています。
第12回「商品開発車座塾」
11月4日(金)5日(土)
会津若松の歴史と独特の空間の『場』の力を借りて、参加者の皆さんのマーケティング叡智を解き放つ『場』です。
テーマは、「時代の変化を引き抜き、需要を創造する」。業界を越えてオープンな話をしていきます。男性1人、女性1人の残席があります。

10月19日(水)
「第9回 自然に学ぶモノづくりフォーラム」(積水化学主催)に行ってきました。なかなか刺激的なシンポジウムでした。
「近自然学〜持続可能な日本・再生への提言」山脇正俊氏 スイス近自然学研究所代表。
バックキャスト手法で。現状で最も良いと思う方策を実行する=フォキャストに対して、これからは、進む方向と将来の着地点を設定して、そこへ到達するための道筋(手法・方策)を考え実行するやり方=バックキャストの重要性。ランドシャフトの発想を。五感(視・聴・嗅・味・触覚)と心の動き(感動・好悪など)のこと。良いランドシャフトは「気持良い:快い、心地よい、旨い、楽しい、香しい、愉快など」。気持良い(快い)と「生き延びやすい」
「生き物の再生・治癒・進化に学ぶ都市づくり」谷口守氏 筑波大学教授
生き物も、都市も新陳代謝をし、病気にもなり、怪我もする。生き物のネクローシス、アポトーシスを都市のあり方に活用。アポトーシス=減築
「自然に学ぶ渋滞学・無駄学が日本を救う」西成活裕氏 東京大学教授
数億年生き伸びている生物の知恵を生かす。生物社会は、ボトムアップ・分散型。アリはなぜ渋滞しないのか。先読み+周辺視野=大局力が重要。自然界の協調行動=ホッケ柱。
パネルディスカッション「自然に学ぶものづくりは、日本再生のフラグシップとなり得るか」
資源と環境問題。からくり人形発想、家電農場の提案、自然に甘えない、若返らせる、老化させない、仕組みに学ぶ、まねるなど。
なるほど、刺激的、マーケティングに落とし込むには。

■『雑務減らし社外へ出よう』
★気づき
 「雑務に追われ、考える力や自分で仕事を生み出す力、いわゆる『現場力』が落ちている」。そこで、内向きの無駄な仕事を徹底的に省く業務改革に取り組むことにした。名付けて「デザイニング・ニュー・エイジ(DNA)」プロジェクト。新時代を設計するという意味を込めた。創業者の伊藤忠兵衛は、全国を行脚しながら様々な土地の物産を売り買いして会社を大きくしていった。これが伊藤忠のDNAだ。
伊藤忠商事 小林栄三社長
読売新聞2006.12.2

★コメント
 「会って、会って、会いまくれ」進化のヒントは店頭にあり
技術者も現場、消費者のホンネに耳を。トヨタの社内メッセージである。外の世界に出て異質に身をさらさなければ、本当に深い考えは浮かばない。手練手管ではない本物の知恵を持つ人材を求められているのでは。
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■『生産法・寿命まで見極め』
★気づき
 技術や行動が「本当にエコかどうか」を厳しく見極める、「エコリテラシー」の姿勢。「エコ」をうたう商品が次々と売り出されているが、「それが浪費につながっては意味がない。商品に生産エネルギーを表示する制度を設けてはどうか」と提案する。「環境のために大事なのは、できるだけ人間のエネルギーを使い、自分で責任を負うこと。自立することです。」
宇宙物理学者 池内了氏
朝日新聞2008.1.10

★コメント
 江戸時代の「植物国家」に学ぶのもいいのでは。
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■『アニミズムの復権』
★気づき
 アニミズムの復権 アニミズムは農耕が発明される以前の狩猟採取時代においてはほぼ世界共通の信仰だった。日本は狩猟採取時代が長く、アニミズムの思想が強く残っている。環境破壊、人類滅亡の危機に対して、人間と動植物の共存を唱えるアニミズムの復権がささやかれている。遺伝子学はアニミズムの科学的正当性を証明している。
梅原猛氏
朝日新聞2005.8.23

★コメント
 動植物から学ぶ。自然システムを社会システムに活用する。
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■『新春対談 吉田秀和×丸谷才一』
★気づき
 新春対談 吉田秀和×丸谷才一。源氏物語が広く読まれる背景は、人類文化そのものが6千年ぶりに母権的な時代に変わろうとする一つの大きな兆候では(丸谷)。加藤周一さんは、全体を捉えるのではなくて、今、個々のものを大事にする鋭敏な感性が日本文化の特徴。それは女性的と言い換えてもいいのでは(吉田)。
朝日新聞2009.1.1

★コメント
 女性の現実・生活発想が大事になってきている。強くたくましいから、やさしく包む発想が大切になっている。ただ、女性・男性の対立概念ではなく、女性感性が男性感性を包含してスパイラルに発展していくことが必要では。私は、ヒューマンな発想が重要だと考えています。
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■『脳の特性から経済を解明』
★気づき
 マクルワー米スタンフォード大助教授らは、なぜ人が現在を極端に重視し、将来後悔するような意思決定をするのかを神経経済学的に研究している。近い将来の小さな利得と遠い将来の大きな利得のどちらがよいかを被験者に選択してもらい、選択前後の脳活性をfMRIで調べた。結果を単純化すればこうだ。人間は常に理性的な判断に基づき意思決定をしようとしているが、これに反し近い将来の利得は情動的な反応を促し、意思決定を左右してしまう。つまり情動が勝ると、遠い将来の小さな利得を選び、後悔してしまう。夏休みの宿題を最後の日までやり残し、ダイエットに失敗するのも、これが背景にあるというのだ。
大阪大学教授 大竹文雄氏

★コメント
 長期的視野が生き残る力を育てる。
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◆土日朝一番の映画
「ミケランジェロの暗号」
ミケランジェロの名画をめぐる、ユダヤ人の画商家族とナチスドイツとのミステリ―。スリリングな展開だが「ヒトラーの贋札」に比べるとパンチが弱かった。
「猿の惑星 創世記」
「猿の惑星」シリーズの起源を描いた作品。認知力を高めるアルツハイマー新薬開発がチンパンジーへの投与実験によって、驚異的進化をした。猿の人間への怒り、強者への反逆。団結、リーダーとしての孤独。進化していく猿の表情が素晴らしい。猿が森に帰るところは圧巻でした。おすすめ。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第297号(2011/10/19) (c) 1999Japan Orientation
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