1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・商品開発ミネラル」

【マツモト・商品開発ミネラル】第252号

配信日:2010年1月19日

『「レモンの原理」情報の非対称性という考え方』『非対称デザイン』『リーナスの法則』『人間発展こそが経済発展の条件になる』『戦争売る原則』

15日から18日まで香港・マカオに行ってきました。総勢4人旅ですが、現地集合、現地解散。夜の食事とマカオは一緒で、あとは勝手の旅でした。マカオに行く船のチケットを買った時、申告をしていないのにシルバー料金にされてしまいました。ちょっとショックな体験でした。

■『「レモンの原理」情報の非対称性という考え方』
★気づき
 商品やサービスの品質に関して情報の非対称性が存在するとき、市場は効率的な資源配分に失敗する。
オークションは非対称性を克服するためのスクリーニング。
スクリーニングとは情報を持っていない側が情報を多く持つ側に選択肢を示し、相手の選択行動を通じて情報を明らかにする手段。
情報を多く保有している側が、情報開示につながるようなシグナルを発して自らの商品やサービスが良質であることを示すこと。
これらのことにより「レモンの原理」が解決でき、市場が活性化する。
日経産業新聞2001.11

★コメント
 ちょっと古い情報です。
ネットを通じて情報の非対称性の改善が進み、新しいビジネスのチャンスになるのでは。
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■『非対称デザイン』
★気づき
  非対称デザインは、もとは人間の体が左右非対称(アンシンメトリー)であることから生まれたデザインパターンだが、初めは左利き専用のマウスや、ラバー底のパターンを上下左右で変えたスニーカーなどが目立つ程度だった。
ところが最近、SOHO向けのパソコンデスクや、マニア用に部品の非対称構造を強調した新型オートバイ、患者の体型に合わせられる非対称形の医療器具など、一見たがいに無関係な分野から「非対称」を売り物にしたデザインが登場しているのだ。
これまで威嚇性が強すぎるとされた、迷彩模様が若い女性の間で大流行。彼女たちは、本来アトランダムで非対称な自然界にまぎれこむための迷彩デザインを、逆に街で目立つためのアイテムに変えた。
読売新聞2001.12.7 生井英考(共立女子大学助教授・映像史、アメリカ研究)

★コメント
 非対象概念を取り込むことによって、新しいコンセプトが生まれてくるのでは。
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■『リーナスの法則』
★気づき
 ネット社会を変える!?「ハッカー倫理」
人間の行動の動機づけは歴史的に「生き残り」「義務」「金」から、「楽しみ」「社会への貢献」のために進化していく、というのがリーナスの法則だ。
リナックスを開発・成長させたのはもともとの意味でのハッカーたち、つまりコンピュータープログラミングの高度な技術者。
彼らは金儲けのためではなく、おもしろいからリナックスを作り、世界にネットワークを広げた。
読売新聞2001.6.2 ペッカ・ヒマネン(カリフォルニア大学バークレー校客員教授)

★コメント
 もっともっとサブカルチャーなコト、人が出てこないとおもしろくない。保守的を脱して、もっとハチャメチャにならなければ。
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■『人間発展こそが経済発展の条件になる』
★気づき
 人間発展は経済が一定以上に豊かになってはじめてできるものだという偏見を持ちがちである。
民主主義の不足が飢餓の原因である。飢餓は物質の絶対的な欠乏というよりも、特定の社会集団のみに困窮することによって起こるものである。
民主主義が存在し、そうした配分の極端な不平等批判ができる機会が保証されている社会では、大飢饉と呼べるような事態が起こったことがない。
アマルティア・セン氏

★コメント
 原因と結果の取り間違いがよくある。ロシア、中国、アフリカ、中南米は見える不平等だが、アメリカ、日本は不平等が見えない。マイケル・ムーアがんばれ。
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■『戦争売る原則』
★気づき
1.「われわれは戦争をしたくはない」
 戦争に突入するどの指導者も、「平和」への熱望を装う
2.「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
3.「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
敵に怪物の顔を与え、憎しみを増幅しここの市民への共感を消し去る
4.「われわれは領土や、覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
 士気高揚には利権と無縁の大儀が必要
5.「敵は残虐行為に及んでいる」
 と、怒りをかき立てる
6.「敵は卑劣な兵器や戦略を用いてる」
 義憤に油を注ぐ
7. 「我が被害は小さく、敵被害は甚大」
8. 「知識人も正義の戦いを支持している」
9. 「わが大儀は神聖」
10.「正義を疑問視するものは裏切り者だ」
「戦争プロパガンダ10の法則」草思社

★コメント
 プロバガンダは見えなく、静かに浸透してくるものだ。いつでも気をつけていないといけない。裏にはなにがあるのかは、本質は何なのかの強い自問自答がなければ。 

日本オリエンテーション主宰 松本勝英

【マイカレンダー】2010年1月6日(水)〜1月18日(月)
新年、日本オリエンテーションはまだゆっくりなスタートです。
6日(水)企業の人と商品開発プロセスの革新の話。真の新商品を開発するには、考える時間をもっととる、質を高めるなどの話。
7日(木)企業と新規コンサルティングの打ち合わせ。市場マップ、有望開発テーマづくりを。午後、企業訪問、商品開発プロセスづくりの話。今年は商品開発プロセス革新の年になりそうな感じがします。「いままで」から「これから」へが、今年の私のモットーです。

8日(金)企業訪問。「これからの美味しさ開発」について、研究所の人たちと話し合い。午後、コンサルティング。時代・市場・生活価値観を読み解く。終了後懇親会。
12日(火)コンサルティング。プロジェクトのまとめと今後の打ち合わせ。
13日(水)コンサルティングスタート。おいしさ開発から新商品を開発するプロジェクト。
14日(木)企業の方が来社。発売する新商品について意見交換。夜は、一緒に大塚「こなから」で快食。

15日(金)香港へ。16日(土)九龍地区のホットな場所と、香港島の骨董店を見る。夜は、街のレストランへ。その後ジャズバーで音楽とお酒を楽しむ。
17日(日)マカオへ。ポルトガル料理を食べる。魚入りのコロッケ、イワシの焼き物などおいしかったです。夜は、屋台で食事。
18日(月)九龍地区の見残したところを散策。香港の息吹を感じてきました。23時帰宅。

土日早朝一人で映画を見るは
「カティンの森」監督 アンジェイ・ワイダ
カティンの森でのポーランド将校虐殺の真相を描いた映画です。勝者が歴史を勝手に作り替える。アンジェイ・ワイダ監督とヨーロッパの伝統とが重なって、映画らしい映画でした。ぜひ見てください。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第252号(2010/1/19) (c) 1999Japan Orientation
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