1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:商品開発のセオリー スパーキング

15. 新商品は成長の原動力

新商品成功の確率は1/10

新商品開発の世界で、昔は千三つと言われた時代がありました。
1000の新商品を開発して、成功するのはたった3つということです。
今でも石油の試掘の成功確立はこんなものでしょう。また飲料業界全体で見ると成功するのは3/1000の状況です。
1/100の時代もありました。新薬などの開発成功率レベルです。
現在、こんな成功確立では企業は倒産です。

みなさんの企業では

現状の新商品の成功確立は、数年、数億かけて成功するのは、1/10と言われています。10の内9の新商品は失敗です。
みなさんの企業はいかがですか。失敗、成功の基準などによって違いがありますが、一般的には5年は利益がでる商品を成功と考えてみるといかがですか。1~2年で消えてしまう商品は成功とはいえません。
日銀みたいな失敗しない企業?であっても失敗をします。2000円札は失敗商品です。
それにしても新商品の成功の確立が低いのが現状です。私どもがコンサルティングをしている企業では、ぜひ3/10、いわゆる3割バーッターになろうといろいろ商品開発システムの改革をしています。

企業成長の原動力は新商品です

新製品を開発しなくても成長する企業が理想です。
企業の成長と新商品開発は強い関係があり、その一つの指標として「新製品率」があります。
売り上げ全体における、この5年間で開発された新商品の売り上げ構成比を、「新製品率と」言います。
売り上げが10億としますと、この5年間で開発された新製品の売り上げが3億円だとすると、「新製品率」は30%になります。
この「新製品率」と、業界における企業のポジションとの間に強い相関関係があります。
データで見ると
 *業界のリーダー企業 新製品率49.1%
 *業界の上位1/3企業 新製品率33.8%
 *業界の中位1/3企業 新製品率26.9%
 *業界の下位1/3企業 新製品率10.7%
業界のリーダーの新製品率は約50%です。この5年間で開発された商品が売り上げ全体の50%だということです。30%台でないと業界の上位1/3にはなれないということです。
この指標がクローズアップされたのはアメリカの3M社が新製品率目標を25%に設定したことからでした。
日本の企業でもいろいろな企業が新製品率を設定しチャレンジをしています。

新聞などから事例を拾ってみますと

エステー化学は「独自商品を出せばデフレにはならない。5年前の新製品率は20%台、これが前期は40%を超え今期は5割を超える。業績向上の最大のカギはここにあります。5年前は売り上げの4割が防虫剤、今期は3割弱一方では5年前のエアケア(芳香消臭剤)32%が46%に。」 エステー化学社長 鈴木喬氏 日経新聞030929

新商品は リスク BUT 成長

新商品開発は大変リスクの高いマーケティング活動ですが、しかし新商品の成功は企業の成長の原動力です。
新製品の成功確率を、どのように高めていくかを述べていくことが「商品開発スパーキング」のテーマです。

日本オリエンテーション 松本勝英

バックナンバー一覧 次のスパーキング