1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第495号

配信日:2021年2月2日

‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
・・‥‥…………………… by Japan Orientation ………………‥・・・

    ■□ 第495号 Table of Contents 松本プラス忽那□■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『商品開発;『独自化戦略』を、差別化では生き残れない』
      『商品開発;独自化戦略2』
      『商品開発;独自化戦略3』
      『トッピクス;ユーラシアが選んだ21年のトップリスク』
      『トッピクス;気づきメモ5』
      『消費者視点でわくわく商品開発のススメ:忽那公範』
        ミニ商品開発物語「日焼け止め」2

2021年2月2(火)
足許の変化に
足下は足の真下、足元は足のまわり、足許は「足元」が1歩2歩進んだ距離とすれば、「足許」は3歩4歩進んだ距離を表します。足許の変化を大事に。
1月18日に開かれた「商品開発、マーケティンをだべる会」は、15名の参加で盛況でした。
まずは、皆さんの、足許の変化についての気づきから話がスタート、そして、WHYで変化の本質を感じ取ることに。
私の気づきは、副業はお金を儲けるものから、自分らしさ、社会に役に立つことへ、ヒトとモノとの関係が変化、ただ使用、消費するのではなく愛着、育むなどの関係が生まれている、お香を焚く、外への表現ではなく、うちなる自分に、Our productからMy productへ、カスタマイズ化どんどん進む、マスマーケットは今後どのようになるのか?工業製品から農業製品へ、良い商品の定義が変わってくるのでは、思想、哲学がない商品は共感が得られなくなる、既存のカテゴリーが解体し、再構築されていく、テレワークで遊びがなくなり、発想が貧弱なる、自分がぜひ使いたい商品を商品化するなどなど。
コロナは潜在的変化の芽を顕在化させているのでは。
足許のことから変化を感じてみませんか。

◆◇伝言 1
◆『商品開発・マーケティングをだべる会 オンライン』
2月18日(木)20時?22時の予定です。
課題解決の「触発の場」です。参加者同士の話し合いから、聴いて、気づいて、
考えて、話して、ヒントを得る「場」です。初めての方も大歓迎です。
*ファシリテイターは
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
わくわく商品開発研究所 所長 忽那公範(元花王)
*参加方法;2月12日までに、下記に、企業名、氏名、所属、メールアドレスを記入し申し込みください。後日参加のご案内をお送りします。
*多数申し込みの場合、2月22日(月)を追加日として予定しています。
office_j@jorien.com
・・‥‥………………‥・・‥………………‥‥‥・・・‥………………‥・・

◆◇伝言 2
4月15日開講予定 『商品開発サクセス・セオリー<20時間>セミナー』
「商品開発プログラムセミナー」のエッセンスと新しい進化セミナーを
いまプログラムを練っています。
講師は
日本オリエンテーション 主宰 松本勝英
わくわく商品開発研究 所長 忽那公範
後日、ご案内をお送りします。
・・‥‥………………‥・・‥………………‥‥‥・・・‥………………‥・・

≪マツモト・商品開発ミネラル495号≫

■『商品開発;『独自化戦略』を、差別化では生き残れない。』
★ミネラル
差別化をめざせばめざすほど、結局は皆同じになってしまうジレンマから抜け出さない。
そして価格競争に陥ってしまっている。差別化を超えて、これからは独自化が重要戦略です。
独自化とは「競争回避戦略」です。ゼロ成長の中で生き残るには競争戦略ではなく、「競争回避戦略」をとることです。
競争しないで価格を支配できる商品・サービスを生み出すことが重要。そのための「独自化」が必要になります。
競争を回避し、独自化するには
1, マーケットは小さく、深く耕すこと
ベンチャー企業成功のポイントが「独自化」成功のお手本です。
・創業時の成功率は市場の大きさに反比例する。
・量より高く売れる商品・事業を。
・組立量産品を避ける。
・一つの技術を徹底的に深耕する。
30円から10万円以上のサボテンを品揃えした「サボテン大店」、 丸めがねだけ売る「丸めがね大店」なんかやってみたい。
「商品開発プログラムのたて方36時間セミナー」より
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『商品開発;独自化戦略2』
★ミネラル
2,流れに乗らない、流れに竿を差すこと
どの企業も魅力だと考えている市場に参入しても、差別化勝負で「独自化」には成りません。やってないことをやろう。
量的拡大追求の流れに対して、多様な価値の創造を。
常温の菓子に4つの温度帯(冷凍、チルド、常温、温)を。
「・・・しない」を明確にするのもだいじでは。

3、 新視点
既存の視点を捨てよう。
きれいに装う化粧品に対して、醜く崩す化粧品。
人に見られる衣服に対して、元気になる衣服。
ニュースをライブにしたCNN。近くにも新視点はあります。
これからはロボットも消費者になる、ロボットの消耗品が魅力。
「商品開発プログラムのたて方36時間セミナー」より
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『商品開発;独自化戦略3』
★ミネラル
4,自分をはっきりさせる
今考えていることをハッキリさせること。ターゲットの心の中で商品をどう「独自化」させることが重要、ブランドの価値です。
情報過多な時代、明確、徹底、卓越し、その「独自性」は1つの単語に要約して、 クリア・メッセージ・ プロポジションにして、「独自性」を企業の内外に訴える。
5,売り先、売り方、売り物開発による独自化
商品だけが「独自化」ではない。
売り先の独自化、売り方の独自化、そして売り物の独自化の3つの独自化を同時にする。
ファンケル化粧品の「敏感肌のターゲットに」「通信販売という新しい売りかたで」「無添加使い切り化粧品という商品」。 売り先、売り方、売り物の 組み合わせによる「独自化」では。
6,これからは、文化の独自化
マイケル・ポーター(米ハーバード大教授)が「ドイツ企業の従業員が週に30時間しか働かないのに 繁栄を続けてきたのは、
コスト競争力以外の部分で独自の戦略を展開してきたからだ。中国企業はベンツ やBMWは作れない」(2001.12.14 日経新聞)
日本の企業が世界で生き残るのには、日本の固有文化の再発見では。
和の文化の再発見、「水のビジネス」、教育回復による教育ビジネス。
安全も本来は日本の文化だったのでは。NHK BSの「クールジャパン」は、外国の人から見た、日本の魅力を発見するヒントになる。
他にない自分だけの強さを生かし、しっかりした裏付けのあることを主張。
そして消費者の心の中に位置づけされることが「独自化」です。
「商品開発プログラムのたて方36時間セミナー」より
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『トッピクス;ユーラシアが選んだ21年のトップリスク』
★気づき
国際情勢のリスク分析を手がける、ユーラシアが選んだ21年のトップリスクは以下の通り。
1.米国の分断
トランプ大統領の選挙結果受け入れ拒否が米国の深い分断を浮き彫りにしている。COVID19ワクチン接種がスムーズに進み、 パンデミックが抑制されれば、バイデン氏が共和党からも一定の政治的評価を得る可能性があるものの、厳しい課題が続く。
2.コロナ問題長期化
COVID19ワクチンは世界が21年に正常化に向かうことに寄与するが、 「各国がワクチン接種のスケジュール達成に苦しみ、パンデミックが高水準の公的債務や離職者、信頼の喪失という負の遺産を残す」とユーラシアは予想している。
3.グリーン化
米国はバイデン政権下で炭素排出の実質ゼロ目標など気候変動のイニシアチブに再び参加しようとしているが、 「より野心的な気候変動対策による企業や投資家のコスト」と各国・地域の計画協調を「過大評価することによるリスク」 があるとユーラシアは指摘した。中国や欧州連合(EU)、英国、日本、韓国、カナダも国内・地域経済をより環境に優しいものにすると 表明している。
4.米中緊張関係の波及
米中間の経済関係は今年、これまでほど対立的ではなくなるだろうが、米国から同盟国へのストレス波及や他国へのワクチン配布での競争、 グリーンテクノロジーに関する競合により、緊張が再燃する可能性がある。
5.データ競争
国境を越えたデジタル情報の流れが鈍るに伴い米中間の競争が最重要となり、データに依存する企業の重しになるだろう。 中国政府は恐らく国外技術への依存を減らし続け、米国は国民の個人情報を安全に保つ取り組みを進める。
6.サイバーリスク
自宅からテクノロジーにアクセスする人々が増える中で、サイバースペースにおける国家の行動に関する世界的ルール作成で 政府・民間部門の両方でほとんど前進が見られず、攻撃やデータ盗難の可能性が高まっている。
7.トルコ
ユーラシアによると、トルコは昨年、危機を回避することができたが、21年に入っても脆弱(ぜいじゃく)なままだ。 エルドアン大統領は4?6月(第2四半期)に再び圧力に見舞われ、景気拡大を促そうとするかもしれないが、 そうすることで社会的緊張をあおる恐れがある。
8.産油国にとって厳しい年に
中東・北アフリカのエネルギー生産国で抗議活動が激化し、改革が遅れる可能性がある。 歳入の大半を石油から得るイラクは基本支出予算の確保や自国通貨安の阻止に苦しむ公算が大きい。
9.ドイツのメルケル首相退陣
ドイツのメルケル首相は欧州で最も重要なリーダーであり、同首相が去れば欧州のリーダーシップが弱まることから、 今年後半のメルケル首相退陣が欧州最大のリスクだとユーラシアは分析している。
10.中南米が抱える問題
中南米諸国がパンデミック以前に直面していた政治・社会・経済問題が、一段と厳しくなるリスクがある。 アルゼンチンとメキシコでは議会選挙が行われ、エクアドルとペルー、チリは大統領選挙を控えている。 ポピュリズムに訴える候補者が増え、特にエクアドルでは同国の国際通貨基金(IMF)プログラムと経済安定を危うくする可能性がある。
★コメント
これからは、リスク管理と適応が企業の重要な課題です。特にリスクが同時に重なって起きるときは重大な結果をもたらします。 日本のリスク、アジアのリスク、自社のリスク、自分自身のリスクなど、リスクに対する問題意識を強くしていかなければ。
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■『トッピクス;気づきメモ5』
※職人技術をデータ化し、AIで分析、蓄積し、共有化することが日本の強さになるのでは、たとえば医療の手術とか。

※売れ筋シャンプー、増える2000円超 ニッチに商機 消費者多様な決め手 日経MJ 2021年1月24日
店頭を見てみたが、店頭にはあまり高額の商品がなかった、既存の店頭ではないところで売れているのでは。
※住商、「グリーン水素」豪で開発割安な太陽光活用 日本経済新聞 2021/1/22
※IHI水素生産、魚・野菜も一緒に
副産物の酸素活用で採算向上、23年度販売めざす 日本経済新聞 2021/1/11
水素の活用範囲は意外に広いのかも。
※意思決定モデル「OODA -Loop(ウーダループ)」市場などの観察を重視。
PDCAに代わる?ビジネス戦略理論として脚光を浴びている、Observe(観察し)、Orient(方向を決め)、 Decide(決断し)、Act(行動する)の頭文字をとってOODA。このOODAを問題解決するまで何度でも繰り返し行う
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」 ? 忽那公範 ?
ミニ商品開発物語「日焼け止め」2
日焼け止め商品は、日焼けに対する効果としてSPFという値があります。当時は、このSPFの表示に対するルールがない時代でした。
SPFという値は直射日光にあたったダメージ(20分でサンバーン起きる人の時)を、 どれだけ伸ばせるか?という値です。日常生活で2時間当たるならSPF10あればいい、 海で16時間当たるならSPF48が程度でいいです。当時、SPF80やSPF14といった表示の商品もありました。
24時間当たってもSPF72あればいいのです。その後、業界としてSPF51以上は表示しないというルールができました。 消費者にとって、数字が高いほうがいいと思いがちですが、オーバースペックであることがあります。
この数字の意味を、消費者に説明することが、メーカーとして、とても大事だと勉強した商品でした。
1990年代は、まだ、そこまで一般化していなかったのかもしれません。世の中の常識は、変化しますね。
コロナを経験して、常識が変化していると思って商品開発しないといけないですね。
訂正 前回の、ミニ商品開発物語「日焼け止め」3は、ミニ商品開発物語「日焼け止め」1の誤りでした。
わくわく商品開発研究所 所長 忽那公範(くつな きみのり)
「興味ある方は、下記ホームページを」
ホームページ https://www.wakuwakuken.com/
メールアドレス waku@wakuwakuken.com
・・・‥‥……………‥・・‥…………………‥‥・・
■□■…「MATSUMOTO・MINERAL」とは………………………………………‥‥・・
■■■
数年前から新聞、雑誌、本、いろいろな人との話し合い、そして自分で考えた
ことにより、いろいろ考える時の私のマーケティング・ミネラルとなっている
メモです。
出所など明記をしなければいけないのですが、ないものも入っています。
ご了解ください。
原則として毎月2回みなさんのメールに投げ込んでいきます。
触ってみてください。
 ■□■ 「MATSUMOTO・MINERAL」
 ■■■ 第495号(2021/2/2)  (c) 1999 Japan Orientation
・・‥‥………………………………………………………………………‥‥・・
 ┛┛┛ 発行者    日本オリエンテーション 松本 勝英
 ┛┛┛ 問い合わせ  matsumoto@jorien.com
 ┛┛┛ 登録・削除  office_j@jorien.com

前のミネラル